Vol.223 コピーライティング知恵袋

Vol.223 コピーライティング知恵袋

 美容商材における〝ビフォー・アフター方式〟の広告表現について

~ 商材を機能性別に分けて考える ~
 
 
人間が普段得ている情報の約70%が視覚により得られるといわれています。
これだけ視覚に頼って生きている動物はかなり特殊な存在です。
その視覚を刺激する広告手法の1つに、〝ビフォー・アフター方式〟の
広告があります。
絵やイラストを用い、製品を使用することで得られる効果や変化を
シンプルに伝える方法です。

今回は、美容商材における〝ビフォー・アフター方式〟の
広告表現について考えてみましょう。

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▽▲理屈より強烈な視覚効果▽▲
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少し前に美容業界で『女は見た目が10割(※1)』という本が
話題になりました。
何か軽薄な感じに聞こえますが、現代人がある日突然、視覚で
物事を判断するようになった訳ではありません。
太古の昔、人間が二足歩行を始めたときから、人間は視覚から
情報を得るようになったといわれています。
情報収集の多くに視覚を頼るというのは、人間が長い間培ってきた
原始的な本能なのです。

広告において、本能を刺激するというのは非常に大切なことです。
チラシが、目立つために原色を使うのは情報が目に
付きやすくなるためです。
目に飛び込めばそれだけ興味を引くことができます。
また、逆に瞬時にその広告が自分にとって必要か否かも、
視覚によって判断されます。
たとえば、新聞や通販に同封されているチラシをより分けるとき、
広告メールの件名を見るとき、私たちは瞬時に視覚で得られた
情報を元に、〝捨てるor捨てない〟の判断を下します。
ひと通り全て読んでから、その決断を決めるという人はいないに
等しく、人を引き付ける広告は〝見た目が全て〟と言っても
過言では無いでしょう。

成功した広告とは、視覚を制することのできた広告で
あるとも言えます。
〝パッ〟と見ただけで70%の勝負が着いていると考えると、
写真やイラスト、キャッチコピーの重要性がわかります。
美容商材が持っている特性である〝見た目の改善〟という点から
考えると、『見た目を変える商材は、見た目で売れる』という
答えにたどり着きます。
そのため、莫大な費用をかけて美しいタレントやモデルが
起用されてきた経緯があります。

※1平凡社新書 著者:鈴木 由加里

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▽▲基本的な対応▽▲
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美容商材における〝ビフォー・アフター方式〟の広告表現について、
適切に考えるためには、それぞれの商材を機能性別に分けて
考える必要があります。

①化粧品・スキンケア
②化粧品・メイク
③化粧品・ヘアケア
④食品・サプリメント
⑤雑貨・美容グッズ
以上の5種類に分けて、それぞれに適応する
〝ビフォー・アフター方式〟の広告について簡単に説明します。

■【①化粧品・スキンケアについて】
ルール上、使用することは難しいと考えられます。
理由は、スキンケア製品のもつ特性が素肌に働きかけるためです。
本来薬事法では、化粧品とは「人体に対する作用が緩和なもの」と
定義されています。つまり、塗るだけで『ビフォー・アフター』の
写真でわかるほどの大きな変化があってはいけないのです。
また、医薬品等適正広告基準においても、基準3(6)『効能効果等
又は安全性を保証する表現の禁止』の中で「使用前、使用後の図画、
写真等の表現については、医薬品等の効能効果等又は安全性の
保証表現となるので原則として認められない。」というくだりがあり、
使用できないと判断せざるを得ません。

■【②化粧品・メイクについて】
前述の【①化粧品・スキンケアについて】と同様、
医薬品等適正広告基準に基づくルールには
「原則として認められない。」とされ、また、
“メーキャップは除く”との例外は記載されておりませんので、
例えメイク商品だったとしても不可となります。

ただし、“メイクアップという製品の特性が、物理的に
変化させる”ものであることを理由に、日本化粧品工業連合会による
『化粧品等の適正広告ガイドライン』においては可能と判断されており、
薬事法上のルールと違いがあることも事実です。
世の中で見かけるものとして、例えば、マスカラ・アイライナーの
製品の広告において「大きな目に変身」というコピーと共に、
メイク前とメイク後の写真を掲載したりするものがあるのも、
こういった所以によるものと想像できます。

■【③化粧品・ヘアケア】
前述の【②化粧品・メイクについて】と同様の考え方をします。
ルール上は例外なく不可ですが、日本化粧品工業連合会による
『化粧品等の適正広告ガイドライン』においては、
「傷んだ髪をコートする」等の物理的効果を表すものについては
可能と判断されています。しかし、発毛目的の場合には、
使用できません。

■【④食品・サプリメント】
食品による効能効果を示すことはできません。
〝効果のあるもの〟は食品では無く、部外品や医薬品類と
なってしまうため、サプリメントにおいて効能効果を
標ぼうすることは薬事法に抵触することとなります。
「飲むだけで○○になる」という変化を、ビフォー・アフターの
写真でわかるほどの大きな効果があってはいけないのです。

■【⑤雑貨・美容グッズ】
使用できます。
つけまつ毛、ウィッグ、ガードルやブラジャーなどは、使用する
ことでかなり劇的な変化が起こります。
有る意味、見せ方に配慮すれば〝ビフォー・アフター方式〟の
広告を最も効果的かつ、ルールに抵触せずに使用できる分野です。
この分野のインパクトを他の分野の製品で表現することは、
大変危険とも言えます。

①③④の分野の製品について、全くビフォー・アフターらしき表現が
できないわけではありません。
ただし、十分な注意と工夫が必要です。
〝ビフォー・アフター方式〟の広告を展開したいけれど、
法律もちゃんと守りたいと迷われた場合は、
薬事法広告研究所のスタッフまで、ぜひご相談ください。

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▽▲コピーの紹介▽▲
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【フォンテーヌ】
 発 売 元:株式会社アデランス
 製品分類:女性用かつら・ウィッグ
 販  路:専門店
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■参考コピー
 全体的に薄い髪も、ゆたかに若々しく
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▽▲『フォンテーヌ』に学ぶ、
   〝ビフォー・アフター方式〟の広告表現▽▲
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このコピーを参考にしたのは、美容商材における
ビフォー・アフター広告の中でインパクトある表現が可能な広告を
参考としたかったためです。
薬事法について知見がないと、つい化粧品やサプリメントに、
「かつら」のようなビジュアルの変化を求めがちですが、
設けられている法律には限界があります。
さらに、このフォンテーヌのコピーで注目すべきところは、
少しくらい過激な表現が可能な、「⑤の分野」に該当する
かつらという商材のコピーにもかかわらず、大袈裟な表現を
避けているところに、企業としてのコンプライアンスを感じられます。
ビフォー・アフター広告を企画されたときは、フォンテーヌの
ような姿勢を参考にするとよいかもしれません。

売りたいけれども、法律もちゃんと守りたい。
迷われた際は、薬事法広告研究所まで、お気軽にご相談ください。
 
 
 
 
 

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