サプリメント・健康食品の広告における薬事法について(2)

今やブームとなっている「トクホ」の広告を考える

 身近な存在となった「トクホ(特保)」

特定保健用食品(通称トクホ)は、国が食品に「健康に役立つ」表示を許可する世界で初めての制度で、1991年(平成3年)にスタートしてから20年が経過しています。
人が手足を広げてのびのびとしているマーク。
皆さん誰しも目にしたことがあるのではないでしょうか。

このトクホ、2012年の5月には1000品目に到達。
私たち消費者にとってとても身近な存在となっています。
特にお茶などのドリンクとして日々飲まれている、なんて方も多いのではないでしょうか。

過去に「発がん性物質になる恐れ がある成分が高濃度に含まれている」として消費者によるトクホへの危険視、トクホ離れの様相を呈したこともありましたが、その騒動がいったん落ち着くと、市場は少しずつ活性化を見せ始め、金額的には小さいものの総じての売り上げは2007年以降増加を続けています。

販売増には、その購入経路の変化も一因となっているようです。
健康食品としてドラッグストア、またスーパー等で食材として購入するだけでなく、従来行われていた牛乳配達にトクホ商品を一緒に配達する、またネットショッピングで自宅まで配送してもらうなど、その種別や特性に合わせて、入手経路も様々。
より生活に密接なものとなってきていることがうかがえます。
 

 トクホ(特保)とは?

特定保健用食品《 トクホ 》とは、不適切な生活習慣に伴う健康リスクを低減するように工夫された食品です。
国が食品に健康表示(健康への効用をしめす表現)を具体的に表示することを許可する世界で初めての画期的な制度と言われています。

他の「いわゆる健康食品」とは異なり、その保健効果が当該食品を用いたヒト試験で科学的に検討され、適切な摂取量も設定されています。また、その有効性・安全性は個別商品ごとに国によって審査されています。
からだの生理学的機能などに影響を与える成分を含んでいて、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、お腹の調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の効果が科学的に証明されています。

なお、国が関与性を認めているからと言って、多量に摂取することによって予防の効果が高くなったり、疾病が治るわけではありません。
医薬品とは違うものであり、病気の治療のために使用するものではないことを、消費者は十分に理解して使用すべきものです。

トクホに認められている保健の効果については、製品個別に認められるものであり、同じ保健機能成分(関与成分)を含んでいる食品だからといって、トクホと全く同じ働きをするわけではありません。
トクホの保健機能成分(関与成分)と同じ成分を含んでいる健康食品であったとしても、トクホに認められる保健効果の表示は認められません。
また「トクホの○○と同じ成分です」と引き合いに出すことも不可、となります。
 

 話題となったトクホのCM

トクホのお茶で、某漫画のキャラクターが登場し、「脂肪にドーン」と人さし指を前に出し、「食べながら脂肪対策」「ご家庭で脂肪対策」などのテロップが出るCMを皆さんご覧になったことがあるでしょうか。
このCMは今年1月から放送が始まっていましたが、現在では放送が中止されています。
これは「偏った食生活を助長するおそれがあり不適切」と消費者庁が改善を求めたことに起因しています。
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「脂肪にドーン」の黒鳥龍茶CMに改善要望 
消費者庁「偏った食生活を助長」
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msn産経ニュース
 ⇒ http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120625/biz12062511160002-n1.htm

特定保健用食品「黒鳥龍茶」のテレビCMが、偏った食生活を助長する恐れがあるとして、消費者庁が改善を求める要望書を同社に送付。

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こちらのトクホ商品についてはCMが中止されているものの、同じような表現をしているその他トクホ飲料があることも事実です。
たまたま目についたひとつとして取り上げられ、当該のトクホ製品のメーカーに消費者庁の通達が行ってしまった、そんな印象も受けます。

今回指摘の対象とされた製品以外のトクホ製品の広告についても、『これさえ摂れば』というイメージのものが増えている、そんな印象を禁じえません。
前出で述べたように、「多量に摂取することによって予防の効果が高くなったり、疾病が治る」ものではありません。
国に認められたものであったとしても、健康食品と同様に食生活の補助的なものである、ということは広告作りの立場のものとしても理解しておくべきです。

消費者庁にはトクホの表示に関し、Q&A形式で資料が掲載してあります。

●消費者庁「特定保健用食品の表示に関するQ&A(pdf)」
 ⇒ http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin641.pdf

トクホの申請・認可に関しては厚生労働省の確認を経ていますが、現状では2~3か月かかるとされており、日本健康・栄養食品協会からスピード化を求める要望書も提出されています。
これが実現されるか否かはわかりかねますが、今後もトクホ製品が増えていくことは確かです。
その中で、またヒット商品も生まれてくることでしょう。
トクホならではの関与性を正しく伝える広告作りができるよう、理解と知識を増えすことが必至といえます。
 
 
 
 
 

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