化粧品・コスメの広告における薬事法について(4)

日焼け対策目的の化粧品の注意点をおさらいする

今や日焼け対策は夏だけではなく、1年を通してのものであると同時に、男性においても注目されるようになって参りました。
実際には、4月から9月の半年間で、年間の紫外線総量の8割近くが降り注ぐとのデータもあるようで、この9月はまだまだしっかりと紫外線対策が必要のようです。
今日は、そんな日焼け防止目的の化粧品を取り上げ表現の使用方法やその注意点をおさらいしてみたいと思います。
市場においては、ファンデーション、化粧下地、化粧水、美容液、乳液、クリームとさまざまな化粧品・薬用化粧品(医薬部外品)でUVケアをうたう商品が見られます。
化粧品の場合、化粧品で認められた日やけに関する効能効果は
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・日やけを防ぐ。
・日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
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の2つとなります。
ただし、『事実である事を前提に』となりますので、物理的な紫外線の遮断や、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤などUV防止を目的とした成分を含有している商品に限られるということになります。
例えば、保湿を目的とした成分自体にUV防止作用があるからといって、「日やけを防ぐ」かのような表現は標ぼうは不可となり、また、薬効としての日焼け防止効果も化粧品である以上標ぼうはできません。
また、「日やけによるしみ、そばかすを防ぐ」という表現について、簡略化し、「しみ、そばかすを防ぐ」だけを標ぼうすることは不可となり必ず「日やけによる」という文言が必要となります。
(この「日やけによる」という表現は、『しばり表現』と称されます。)
次に薬用化粧品(医薬部外品)の留意点をみてみましょう。
薬用化粧品の場合、承認された効能効果までが標ぼう可能ですが、主流としては、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」ことを目的とする薬用化粧品となります。
この場合も「メラニンの生成を抑え」という『しばり表現』が必ず必要となり、「しみ、そばかすを防ぐ」と簡略化した形での標ぼうは不可となります。
またあくまでも「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを【防ぐ】」ものとなるため、既にできているしみ、そばかすへの作用は明示・暗示とも不可となるため注意が必要です。
薬用化粧品では、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」ことから、「美白ケア」という表現がよく使われますが、この「美白」表現についてもルールがあります。
日本化粧品工業連合会による「化粧品等の適正広告ガイドライン 2008年版」に、わかりやすくまとめられていますので、引用しご紹介いたします。
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E14 薬用化粧品・一般化粧品における美白表現の範囲

E14.0 薬用化粧品・一般化粧品における美白表現の原則「美白効果」、「ホワイトニング効果」という表現は、次の場合以外は用いないこと。
明確な説明もなく「美白効果」「ホワイトニング効果」と表現することは認められない。特に継続して使用しているうちに既に黒い肌の色が段々と白くなる旨を暗示することは認められない。

(1)薬用化粧品
 メーキャップ効果により肌を白く見せる、又はメラニン色素の 生成を抑えることにより日焼けを起こしにくい旨が明確に説明されている場合
(2)化粧品
 ファンデーション類等でメーキャップ効果により肌を白く見せる旨が明確に説明されている場合
【関連法令等】医薬品等適正広告基準3(1)、3(3)

E14.1 薬用化粧品(医薬部外品)における美白表現の範囲
1. 薬用化粧品の美白表現
 「美白効果」「ホワイトニング効果」等は薬事法による承認を受けた効能効果ではない。
 従って、これらの文字を使用する場合は一定のルールに従って表現する。
(1)認められる表現の範囲
 a)承認を受けた効能効果に対応する「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」
  又は「日やけによるしみ・しばかすを防ぐ」のいずれかの表現の範囲。
  (その表現が同義語と解される場合を除き、
   原則として読み替えは認められない。)
 b)メーキャップ効果により肌を白くみせる効果に基づく表現。
 c)「美白・ホワイトニング」等の表現は、承認を受けた効能効果を明示した
  「説明表現」を併記すれば認められる。
 説明表現としては、承認を受けた効能効果に対応して「*メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」又は「*メラニンの生成を抑え、日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」のいずれかを併記する。
 なお、「美白・ホワイトニング」等には「*」等を、説明表現にも「*」を付記するなど、相互の対応が判るよう併記すること。

〔解説〕
 承認された効能効果が「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」の場合の説明表現は「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」を、承認された効能効果が「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」の場合の説明表現は「メラニンの生成を抑え、日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」を用いる。
 (なお、説明表現のことを「美白のしばり」と慣用することがあるが、「効能効果のしばり表現」とは趣旨が異なるので注意すること。)
(2)認められない表現の範囲
 a)肌本来の色そのものが変化する旨の表現は認められない。
 b)できてしまったしみ、そばかすをなくす(治療的)表現は認められない。
 c)承認効能以外のしみ、色素沈着等に係わる表現は認められない。
 d)その他、効能効果の保証、最大級的な表現等の医薬品等適正広告基準に抵触する表現は認められない。

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例えばキャッチコピーで「美白」をうたう場合、
「美白※」と※印をつけ、そばに美白とは何を指すのか説明表現を行う事が必須とされていることを意味します。
これは承認された効能効果により異なり、「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」の場合
 ⇒(美白とは)「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」(こと。)
「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」の場合
 ⇒(美白とは)「メラニンの生成を抑え、日やけによるしみ・そばかすを防ぐ(こと。)
を使用するということになります。

また「“絶対に”焼けない」や「“完璧な”白肌」のような完全/万能を意味する表現は、効果効能の保証的表現となるため標ぼうできません。
尚、紫外線防御効果を意味し、紫外線B波を防ぐ指標として「SPF」が使われますが、このSPF値が最大値「50+」であることを根拠に「最強の日やけ止め」という表現をよく見かけます。
「最強」は最上級表現となり、またこのコピーだけを見ると効果効能の保証と捉えられる可能性があるため、そばに「※SPF値が最大値の「50+」であること」かつ「※○○(会社名或いはブランド名)内」のように、その根拠および自社比較である旨を注記していただくことをおすすめいたします。
 
 
 
 
 

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