ムダ毛のケアについて
とある有名雑誌で行われたムダ毛ケアの調査に興味深い内容がありました。
女性に対して露出の少ない季節もムダ毛の処理を行っているかどうか調査したところ、定期的にではなく「気が向いたとき」のみ処理するが50%で1位。2位は「デート前だけ処理する」が31%。なんと、日本の約80%の女性は夏以外、念入りにムダ毛の処理をしていないとの結果が出ていました。
しかし、よくよく調べるとその理由が、回答全体の80%はすでに医療レーザーによる永久脱毛やエステの脱毛を体験済みであるとのこと。
このことから、女性の80%がコマメな脱毛を行わなくなった理由が、医療レーザーやエステによる脱毛の低価格化により、一昔前ほどの必要性が薄くなったことによるものだと考えられます。
つまり、ワックスやテープを用いてまで、丁寧に脱毛を繰り返す必要のある“濃い”タイプの人は、早かれ遅かれ医療レーザーやエステ脱毛を行ってしまう。
また、口コミサイトの普及で、脱毛器の性能や使用感について、事前にかなりの情報を集めることができます。
そのため、自宅で行う脱毛器と医療レーザー等の価格を冷静に比べることで、一昔前と比べ購入にかなりシビアになっていると言えます。
医師によるレーザー脱毛が格安で受けられる現在、中学生が親御さんと来られるというケースもよくあることのこと。
現代の化粧品、美容器における脱毛の役割、とくに手軽なカミソリ意外のお手入れは、まだレーザー脱毛していない女性、つまり意外にも「あまり美容に興味のないひと」または「お金をかけないひと」「手軽に少しだけ」そして「あまり濃くないひと」という、今までと相反した女性がターゲットになっていると言っても過言ではないのかもしれません。
脱毛、ムダ毛ケア製品に関しては、大きく分けて【剃る】・【抜く】・【溶かす】・【脱色】・【削る】などがあります。現在、脱毛や除毛として謳えるのは、下記の効果を物理的に得られる方法のだけです。
【剃る】――カミソリなどにより、表皮の表面に出ている部分を剃る方法です。
眉も含めた顔、腕や足の広範囲、ワキ、ビキニラインなど、傷みもなく部分を問いません。
また、カミソリ1本あれば短時間で処理が終了するので、コストパフォーマンスが良い。
※専用の器械シェーバーも発売されています。ただ、肌触りが悪く、すぐに剃った毛が生え始めるため、維持にはこまめなお手入れが絶対条件です。
【抜く】――毛抜きや、毛抜き機能のある脱毛器により、毛を1本ずつ抜く方法です。
抜いた後は、次の毛が生えてくるまで1.2週間処理が必要ないため、主にある程度肉眼で確認できる毛の太さがある部分、かつ、広範囲でない場合にメリットが大きいようです。
抜き取る傷みを伴うのと、1本1本への対応を必要とし、腕や足などにはあまり利用されません。
※脱毛器は比較的広範囲にも対応
【溶かす】――除毛のことを指します。表面に生えている部分を、薬品で分解する除毛剤を塗布する方法です(医薬部外品)。
形状はクリームやローション、ジェル、ムースなど様々あり、塗ってから数分で拭き取る、洗い流すなどします。
顔には使用できませんが、腕や足の広範囲、ワキ、ビキニラインなど、傷みもなく、カミソリ負けしやすい人にも向いています。
【脱色】――表面に生えている部分を、薬品で脱色し目立たなくする方法です。
他の方法と異なり、ムダ毛自体を取り除くのではなく、金髪にして目立たせないようにする方法です。
ワキ、ビキニラインなど、太い毛には不向きです。腕や足の比較的広範囲向きです。
【削る】――軽石などを利用して、表面に生えている部分を、削り取る方法です。カミソリに近い仕組みですが、少しずつ摩耗させて取り除くため、次に生えてきた毛が目立ちにくいのが特徴です。ワキ、ビキニラインなど、太い毛には不向きです。肌じたいに摩擦の負担がかかりやすいため、腕や足の比較的薄いタイプの人向きです。
レーザー脱毛が一般化したのはごくごく最近で、1996年アメリカ・ハーバード大学のグロスマンがメラニンに反応する働きの強いルビーレーザーを使った脱毛に成功。
この年には日本にも脱毛用レーザーが上陸しました。
しかし、まだ施術費は高額で一部の裕福層だけのものでした。
その後、さらにレーザーの性能が上がり、2002年に「光治療」と呼ばれる高周波治療の登場と共に、プチ整形などのブームも総じて、美容外科での医療レーザーによる脱毛が広く知られるようになりました。
この時期、エステティックサロンに、医療レーザーと類似した効果があるとするマシンが大量に売られ、購入したサロンでは「エステで永久脱毛ができる」という広告を多く打ち、その後、医師法に触れるとして問題となりました。
レーザー光線により、または、その他の強力なエネルギーを使って、毛乳頭を破壊し発毛を妨げることは、医療のみに許されるものです。
よって永久脱毛といったレーザー脱毛が行えるのは医療機関のみであり、エステでのレーザーによる脱毛行為は医師法に抵触します。
しかしながら、毛根部分を傷つけない出力の低いレーザー脱毛・光脱毛は事実上行われています。ここ数年は、エステサロン美容脱毛器への取り締まりの強化により、消費者の認識においても、医療レーザーによる脱毛とエステで行われる脱毛に違いがあることを、薄々感じられるようになってきましたが、エステサロンによる脱毛行為に関する医師法違反問題は数あると言われています。
尚、今現在、光源よる施術は「光エステ」「フラッシュエステ」として記載されるケースが多いようです。
今回は、そんな脱毛でも身近な家庭用雑貨に的を絞り、美容機器のパイオニアとして長年親しまれているパナソニック社の脱毛器に用いられているコピーをご紹介します。
【ソイエ ES-WD93】
発売元: パナソニック株式会社
製品分類: 角質ケア器能付き脱毛・除毛器
販路: 家電取扱店、通信販売など
価格: オープン価格
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■参考コピー
見とれる美脚
なめらかつるん。
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ソイエ ES-WD93は、物理的に毛を抜くのですから、まさに脱毛器であり脱毛と表現できるものなのですが、そこをあえて脱毛という言葉をメインにもってくるのではなく、脱毛後の理想的な肌を連想させるキーワードを使用することにより、どのように脱毛されるのかなどを曖昧にしている所がこのコピーの特徴と言えるでしょう。
広告において効果を強く訴求したくなりますが、あえて訴求ポイントをずらすこのような手法は、雑貨に限らず化粧品等でも応用できそうです。
尚、日本で一般向けに発売されている脱毛器は雑貨であり、医療機器ではありません。医療機器的効果にあたる『抑毛』等、毛が生えてこないことや生えにくくなる事を標ぼうすると薬事法に抵触しますので、表現には注意が必要です。
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