スリムビューティハウスなど3社を処分 クーポンめぐり景表法違反
消費者庁は26日、サイトに掲載した割引クーポンをめぐり、景品表示法違反(有利誤認表示)があったとして、エステサロンを全国で運営するスリムビューティハウス(東京都港区)など3社に対し、再発防止策を講じることなどを求める措置命令を出したと発表した。処分はいずれも25日付。
残りの2社は、シェイプアップハウス(大阪市北区)とミス・パリ・ジェイピーエヌ(同)。2社はグループ会社で、「エステティック ミス・パリ」という店名のサロンを運営している。
消費者庁によると、ビューティハウス社は2024年12月~25年2月、美容サロンの検索・予約サイト上に、運営店の一部で使える有効期限つきの割引クーポンを掲載。あたかも、期限内に限り、割引が適用された価格で施術を受けることができるかのような表示をしていた。実際には、期限後も別のクーポンを掲載し、同額の割引が適用されていたという。 24年12月1日に掲載されていたクーポンの例では、期限を同月25日までとし、90分5千円の施術が1500円になると表示していた。
残る2社も24年12月から25年5月、同様の違反表示をしていたとされる。
ビューティハウス社は、今年1月にも、しつこい勧誘をしていたなどとして、消費者庁から特定商取引法違反で一部の業務を3カ月間停止するよう命じられていた。
参照元:朝日新聞(2026/3/18より)
Contents
ニュースの概要
処分を受けたのは、
- スリムビューティハウス
- シェイプアップハウス
- ミス・パリ・ジェイピーエヌ
の3社です。
消費者庁によると、各社は美容サロンの検索・予約サイト上で、有効期限付きの割引クーポンを掲載していました。
例えばスリムビューティハウスでは、2024年12月から2025年2月にかけて、**「90分5,000円の施術が1,500円」**となるクーポンを掲載し、有効期限を2024年12月25日までと表示していました。
しかし実際には、期限後も別のクーポンが掲載され、同じ割引条件で利用できる状態が続いていたといいます。
シェイプアップハウスとミス・パリ・ジェイピーエヌについても、同様の表示が行われていたとして措置命令の対象となりました。
問題点 「今だけ」と思わせる表示だった
今回問題となったのは、割引額そのものではありません。
各社はクーポンに有効期限を設けることで、あたかもその期間内だけ特別価格で施術を受けられるかのように表示していました。
消費者はこのような表示を見ると、
- 今申し込まないと割引が受けられない
- 期限を過ぎると通常価格になる
と考えるのが一般的です。
しかし実際には、期限後も別のクーポンが掲載され、同額の割引が継続していました。
つまり、「この期間だけお得」という表示と、「実際には同じ割引が続いていた」という実態に差があったことが問題となりました。
なぜ消費者庁は問題視したのか
期間限定のキャンペーンは、消費者の申込みを促す効果が高い販促手法です。
そのため、実際には同じ条件で利用できるにもかかわらず、「今だけ」「○日まで」と表示すると、消費者は本来よりも急いで申込みを行う可能性があります。
景品表示法では、実際の取引条件と異なる印象を与え、消費者の適切な判断を妨げる表示を禁止しています。
今回のケースでは、期間内だけ特別価格で利用できるかのような印象を与えていたことから、有利誤認表示に該当すると判断されました。
事業者が見落としやすいポイント
今回の事案は、「割引をしてはいけない」という話ではありません。
問題となったのは、割引の継続そのものではなく、期間限定であるかのように見せていた点です。
例えば、
- キャンペーン終了後に同じ内容で再開する
- クーポン名だけ変更して同じ割引を続ける
- 媒体を変えて同じ割引を掲載する
このような運用は、表示内容や実態によっては有利誤認と判断される可能性があります。
事業者としては単なる販促活動の継続という認識でも、消費者から見れば「今だけではなかった」と受け取られる可能性があるため注意が必要です。
今後、事業者が注意すべきポイント
1.期間限定表示は運用まで含めて管理する
「今だけ」「○日まで」と表示する場合は、掲載期間だけでなく、終了後の運用も含めて確認する必要があります。
2. 延長や再掲載を前提にした表示は避ける
終了後も同じ条件で提供する可能性がある場合は、期間限定表示の使用を慎重に検討することが重要です。
3.消費者の受け止め方を基準に考える
社内では問題ないと考えていても、消費者が「今しか利用できない」と受け取るのであれば、有利誤認と判断される可能性があります。
広告全体としてどのような印象を与えるかを確認することが重要です。
スリムビューティハウスで続く行政処分
今回処分を受けたスリムビューティハウスは、2026年1月にも特定商取引法違反により一部業務停止命令を受けています。
前回は体験エステ後の勧誘方法が問題となりましたが、今回は景品表示法上の表示が問題となりました。
広告表示と勧誘行為は別の論点ではあるものの、いずれも消費者の適切な判断に影響を与える行為として規制されています。
今回の事案は、事業者に対して広告・販促活動全体のコンプライアンス体制の重要性を改めて示した事例といえるでしょう。
まとめ
消費者庁は、期間限定クーポンを掲載していたエステ事業者3社に対し、景品表示法違反(有利誤認表示)で措置命令を出しました。
今回問題となったのは、割引額ではなく、「期限内だけお得であるかのように見せながら、実際には同じ割引を継続していたこと」です。
期間限定表示は集客効果が高い一方で、実際の運用との間にズレが生じると景品表示法違反につながる可能性があります。
事業者は、表示内容だけでなく、その後の運用も含めて消費者に誤解を与えていないかを確認することが重要です。
このニュースから学んでおきたい知識




「今だけ」「○日まで限定」といった期間限定の割引は、消費者の申込みを後押しする代表的な販促手法です。
しかし、実際には期限後も同じ条件で利用できるにもかかわらず、期間限定であるかのように表示すると、景品表示法上の問題となる可能性があります。
消費者庁は2026年3月、期間限定の割引クーポンを掲載していたエステ事業者3社に対し、景品表示法違反(有利誤認表示)で措置命令を出しました。
今回の事案は、「今だけ」という訴求がどのような場合に問題となるのかを改めて示した事例といえます。