美容クリームの「シワが取れる」根拠なし 3社に業務停止命令
消費者庁は27日、顔のシワ取り効果などをうたい、美容クリームを販売していた東京都内の通信販売会社3社に対し、特定商取引法違反(誇大広告など)で、業務の一部を6カ月停止するよう命じたと発表した。処分は今月23~26日付。
3社と、それぞれの美容クリームの商品名は次の通り。MIO(渋谷区)の「ハクアリード」▽Meilie(目黒区)の「ルミエル」▽WELLVY(同区)の「チュルミ」。
消費者庁によると、3社は2025年7~12月にかけ、広告サイトに「頑固なシワ、たるみが たった3日で消えた」などと表示し、美容クリームを販売していた。宣伝通りの効果があるかどうかを確かめるため、消費者庁は、MIOとMeilieから提出された資料を調べたが、根拠を示すものとは認められなかったという。WELLVYについては、期限までに資料の提出がなかったという。
各地の消費生活センターなどには、25年度に3社に関するトラブル相談が、それぞれ5千~6千件程度寄せられていた。
参照元:朝日新聞(2026/3/27より)
Contents
ニュースの概要
処分を受けたのは
- MIO(商品名:ハクアリード)
- Meilie(商品名:ルミエル)
- WELLVY(商品名:チュルミ)
の3社です。
消費者庁によると、3社は2025年7月から12月にかけて、「頑固なシワ、たるみがたった3日で消えた」などと広告サイト上で表示し、美容クリームを販売していました。
消費者庁は、その表示の根拠となる資料の提出を求めましたが、MIOとMeilieが提出した資料については、表示された効果を裏付けるものとは認められませんでした。また、WELLVYについては期限までに資料が提出されなかったとされています。
さらに、1本1,980円で1回限り購入できるように見せながら、実際には定期購入契約となっており、途中解約には約1万円の支払いが必要だったことも問題視されました。
問題① シワ改善効果を裏付ける資料が不十分だった
3社は広告で、「頑固なシワ、たるみがたった3日で消えた」などと表示していました。
しかし消費者庁が根拠資料の提出を求めたところ、提出された資料は表示された効果を十分に裏付けるものとは認められませんでした。また、1社については資料自体が提出されませんでした。
美容‧健康関連商品の広告では、具体的な効果を訴求する場合、その内容を裏付ける客観的な根拠が求められます。
今回、消費者庁は広告で表示された効果について資料の提出を求めましたが、提出された資料は十分な裏付けとは認められませんでした。その結果、広告でうたった内容を裏付けられない表示であるとして問題視されました。
また、シワやたるみといった身体の変化を示す表現については、根拠資料の有無だけでなく、化粧品広告として認められる範囲の表現かどうかも慎重に検討する必要があります。
問題② 1回購入のように見せた定期購入表示
今回の事案では、広告表示と実際の契約条件との間に差があったことも問題となりました。
広告では1本1,980円で購入できるように表示されていましたが、実際には定期購入契約となっており、途中で解約する場合には約1万円の支払いが必要でした。
消費者にとって、
- 定期購入かどうか
- 解約条件はどうなっているか
- 追加費用が発生するのか
といった情報は購入判断に直結します。
そのため、価格だけを強調し、契約条件が分かりにくい表示になっていた場合、消費者の適切な判断を妨げるおそれがあります。
今回の処分が示す2つのポイント
今回の事案では、「効果を裏付ける根拠を示せなかったこと」と「契約条件が分かりにくかったこと」の2つが問題視されました。
通信販売では、商品の魅力を伝えることも重要ですが、それ以上に消費者が正しい情報をもとに購入判断できる環境を整えることが求められます。
効果を強調する場合はその根拠を準備し、価格を訴求する場合は契約条件も分かりやすく伝えることが重要です。
事業者が注意すべきポイント
1.効果を訴求する場合は根拠資料を準備する
広告で具体的な効果をうたう場合は、その内容を裏付ける資料を事前に準備しておく必要があります。
特に「シワが消える」「たるみが改善する」といった身体の変化を示す表現については、根拠資料の有無だけでなく、関連法令や業界ルールに照らして使用できる表現かどうかも慎重に検討する必要があります。
根拠が不十分なまま広告を公開すると、後から説明を求められた際に対応できず、行政処分につながる可能性があります。
2. 体験談やビフォーアフターに依存しすぎない
一部の利用者の結果だけを強調すると、誰でも同じ効果が得られるかのような印象を与えるおそれがあります。
広告全体として、消費者に過度な期待を抱かせていないかを確認することが重要です。
3.定期購入の条件を分かりやすく表示する
定期購入の有無や解約条件は、消費者が購入を判断するうえで重要な情報です。
価格訴求だけを強調するのではなく、契約条件についても同じように分かりやすく表示しなければなりません。
4.広告表現と契約条件を定期的に見直す
広告制作部門と販売部門の認識がずれていると、意図せず問題のある表示が掲載されることがあります。
定期的に広告内容を確認し、効果表現や契約条件の表示に問題がないかを点検する体制づくりが重要です。
まとめ
今回の処分では、美容クリームの広告でうたわれたシワ改善効果などについて、事業者が十分な根拠を示せなかったことが問題となりました。
また、定期購入の条件についても、消費者が理解しやすい形で表示されていたとは言えない状況が確認されています。
美容‧健康関連の商品を取り扱う事業者は、広告表現のインパクトだけでなく、その内容を裏付ける根拠と契約条件の分かりやすさにも十分配慮することが求められます。
広告で訴求する内容については、事前に根拠資料を整備するとともに、その表現が関連法令や業界ルール上適切かどうかを確認することが重要です。
このニュースから学んでおきたい知識




「たった3日でシワが消えた」「頑固なシワやたるみが改善した」――。
美容商品の広告では、このようなビフォーアフターや体験談を用いた訴求が数多く見られます。
しかし、その効果を裏付ける根拠がなければ、行政処分の対象となる可能性があります。
消費者庁は2026年3月、シワ取り効果などをうたって美容クリームを販売していた通信販売会社3社に対し、特定商取引法違反(誇大広告など)を理由に6カ月の一部業務停止命令を出しました。
今回の事案は、広告表現の裏付けとなる根拠資料の重要性だけでなく、定期購入に関する表示のあり方についても改めて考えさせられる事例となっています