Vol.100 コピーライティング知恵袋

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Vol.100 コピーライティング知恵袋

 オーガニック化粧品のコピーライティング

~ オーガニック化粧品の定義について ~
 
 
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▽▲オーガニックってなに??▽▲
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オーガニックとは「有機体」であることを表す言葉で、
主に化学肥料や農薬を使用しない栽培方法で育てられた
植物や野菜のことをいい、また、添加物を入れていない
食料品などを指す言葉としても使われています。
そのため、オーガニックという言葉は食品や化粧品だけでなく、
オーガニックコットンを使用した衣類にも使われます。

日本ではJAS法に基づき、登録認定機関の認定を受けた農家などが
生産したオーガニック農産物には有機JASマークを付けることができ、
一目でオーガニック農産物であるかどうかを
見分けられるようになっています。

この有機JASマークについて、健康食品では標ぼう可能ですが、
化粧品では安全性の保証となるため標ぼうできません。
こちらは後ほど詳しくご説明いたします。

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▽▲世界のオーガニック認定事情▽▲
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世界的に信頼をおかれている化粧品原料の
オーガニック認定機関は4つあります。

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●デメター認証
 主に原料に対しての認定。
 種をまく時期や収穫時期が決められている農法にて
 作られることが条件の、世界でもっとも厳しい
 オーガニック認定のひとつ。

●エコサート認証
 原料ではなく、主に製品に対しての認定。
 自然原料や、合成化学成分の配合率を指定した上で
 審査されるオーガニック認定。

●USDAオーガニック認証
 原料ではなく、主に製品に対しての認定。
 重量に対して決められた量の成分が、指定された条件を満たす
 オーガニック農法であることを条件とし、
 審査されるオーガニック認定。

●コスメビオ
 前出のエコサート認証を通過した製品対象の認定。
 さらに厳しい条件の元、エコサートでは上限が決められ、
 使用を許可されていた合成化学成分も、
 この機関では一切の使用を禁止している。

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どの認定機関もおおよその基準として共通する条件は、
(1)農薬を使わない
(2)化学肥料を使わない
(3)肥料を使用する場合は、有機肥料のみを使用する
これが一般的なオーガニックの定義とされています。

この定義に、それぞれの機関がさらに詳しく設けた
ガイドラインをクリアした原料や製品のみに認定が与えられます。

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▽▲日本のオーガニック認定事情▽▲
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日本ではJAS法に基づき、オーガニック農産物について
有機JASマークを付けることができますが、現在、化粧品に対して
オーガニックを認定する機関は存在しません。

そのため、企業が独自に海外の認定機関を利用して、
認証を得たうえでオーガニックと名乗っている化粧品と、
あくまで自主基準でオーガニックと名乗っている化粧品の
2種類が存在することになります。

もちろん、オーガニックというからには、明確な基準の元に
オーガニックを名乗ることが望ましいものとなりますが、
日本では公的な基準が無いために、このような企業ごとの判断で
オーガニック化粧品を名乗っているのが現状です。

しかし、企業ごとの判断であっても、「オーガニック」という
基準を正確に設け、その条件を適切に守っているという姿勢を
明確にし、行政から求められればその根拠を明示できることが、
大切な条件といえるでしょう。

ただし、世界的な認定機関の基準をクリアしていたり、
有機JASマークの付いた原材料を使用していても、
たとえば「世界的なオーガニック認定機関○○の認定を受けた
オーガニック化粧品」となると、安全性の保証的表現と
捉えられるため、化粧品では標ぼうが難しいものとなります。

販売戦略としてはとても悩ましいものですが、
オーガニックというジャンルが、イメージ先行の領域であることを
うまく活用し、認証機関を表に掲げなくても、
ヒットしたブランドもあります。

その一例として、2009年に量販店向けに発売し、ヒットしたブランド
「Nature & Co 『Nの約束』」のコピーを参考にしてみましょう。

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■【Nature & Co 『Nの約束』】
発売元:株式会社コーセー
発売:2009年2月発売-発売中
パッケージ:ヴィンテージ感のあるデザインをプラ素材中心に採用
商品分類:スキンケアライン、メイクアップ
販路:ドラックストアー・量販店
価格帯:オープン価格
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■メインコピー文:HP抜粋

 肌にいいやさしさを、オーガニック認定を受けた植物の成分で。

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お客様からの認定機関の問い合わせに関して、コーセー化粧品からは
次のように回答されています。

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■回答引用
「ネイチャー アンド コー」に配合されている植物成分は、
限定された環境下で生産されていることなどから、
農地が変更になることがあり、そのため、同じ成分であっても
認証団体が異なる場合があります。
したがって、この成分はこの認証機関とはお答えできませんが、
オーガニック認証機関により厳正なる審査を受け
認証された植物成分を使用しています。
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認定機関の確定はできないものの、
責任をもってオーガニックと謳うには、成分原料の責任の所在を
把握していることが大切なのではないでしょうか。

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▽▲オーガニック化粧品の見極めポイント▽▲
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オーガニックというのは、あくまで化粧品のクオリティを
示すものですので、イメージが先行し、香りがナチュラルであったり、
植物由来成分をメインに配合しただけで
オーガニック化粧品を名乗ることは、消費者に誤認を与える
可能性があるため注意が必要です。

植物由来であり、有機栽培のものを使用していれば
オーガニック化粧品といえるのか、
現在のオーガニックの曖昧な定義に対して、将来、
行政より何かアクションが起こるかもしれません。

大切なことは、自社製品の製造元や仕入れ元に、根拠となるデータを
提出してもらい、販売する側がその事実を把握していることが、
大切なのではないでしょうか?
 
 
 
 
 

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