Vol.229 実践薬事マーケティング

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Vol.229 実践薬事マーケティング

 乾燥が始まると「年齢対策」商材はますます売れる!?

~化粧品・健康食品における「エイジングケア」の注意点について~
 
 
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▽▲年々拡大!今や化粧品市場の約25%が「エイジング系」▽▲
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最近朝起きると、ノドが痛い・・・
そんな方はいらっしゃいませんか??

その原因は「空気の乾燥」。
12月頃からどんどん湿度が下がっていき、2月にはピークに!
外気に触れているだけでも体の水分が奪われるほど、
カラッカラになっていきます。

そんな冬の「乾燥シーズン」になるとたちまち需要が増えるのが
「エイジング系」の化粧品やサプリ!

一見、冬とエイジングは無関係に思えますが、
実は肌がかわくと肌がしぼんだり、老けてみえることが多く
購入する方が増えるそうです。

とくに化粧品については、今や化粧品市場の約25%が
「エイジング系」となるほど「主力」に迫る勢い!
「美魔女」ブームなどもあり、今後も注目される商材です。

数多く出ている「年齢対策」商材ですが、
薬事における「エイジング」の標ぼうをおさえる前に
まずは「女性のアンチエイジングに対する意識」を探ってみましょう。

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▽▲アンチエイジングへの『期待』はやっぱりコスメ!▽▲
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 ■出典
  インテージ
  『女性のアンチエイジングに対する意識』より一部抜粋
 ■調査結果
  1000人
 ■調査対象者
  20歳~69歳女性
 (年齢構成:20代 20%、30代 20%、40代 20%、50代 20%、60代 20% )
┌───────────────────────────────
│Q1:あなたは「アンチエイジング」(抵老化、抗加齢)
│ に興味がありますか<単一回答>
│  
│ ◎興味がある             ・・・78.6%
│ ◎興味がない              ・・・21.4% 
└───────────────────────────────
市場規模の拡大を象徴するかのように
8割近くの方が「アンチエイジングに関心がある」と回答!
また、20代の女性の約70%近くが関心があると答えており、
「エイジング」イコール「40代、50代」ではない…ということが伺えます。

では実際に、女性の方はどのような「対策」をとっているのでしょうか?
Q2以下で具体的に探っていきましょう!
┌───────────────────────────────
│Q2:【Q1でエイジングに興味があると回答した方限定】
│   普段、あなたが「アンチエイジング」のためにおこなっていること
│  を全てお答えください<複数回答>
│ 
│ ◎化粧水、乳液を使う           ・・・42.0%
│ ◎食生活にこだわる       ・・・31.0%
│ ◎規則正しい生活を送る          ・・・29.8%
│ ◎睡眠にこだわる           ・・・28.8%
│ ◎ストレッチ・運動をする         ・・・27.9%
│ ◎健康食品、サプリメントを摂取する    ・・・25.3%
│ ◎アンチエイジングの化粧水、乳液を使う  ・・・23.2%
│ ◎パックなどのスペシャルケアを使う   ・・・19.7%
│ ◎アンチエイジングのスペシャルケアを使う ・・・17.6%
│ ◎入浴にこだわる            ・・・10.8%
│ ◎ダイエットをする   ・・・10.3%
│ ◎美顔器、美容家電を使う         ・・・9.2%
│ ◎エステサロンで施術する         ・・・6.0%
│ ◎プチ整形をする            ・・・1.4%
│ ◎美容整形をする   ・・・0.5%
│ ◎この中にはない       ・・・1.3%
│ ◎特にない           ・・・20.7%
└───────────────────────────────
「化粧水、乳液を使う」が圧倒的ですが、
「食生活」「ストレッチ」「睡眠」なども上位に!
さらに注目すべきは「健康食品・サプリの摂取」が
「アンチエイジングのコスメを使う」よりも多いということ。

年齢対策については外からだけでなく、
中からのケアが重要と感じている様子がわかります。

Q3は「アンチエイジングのために今後新たに行いたいこと」について。
今度の商品&広告作りの指針となるので要チェックです!
┌───────────────────────────────
│Q3:【Q1でエイジングに興味があると回答した方限定】
│   アンチエイジングのために今後新たに行いたいこと
│   すべてお選びください?<複数回答>
│ 
│ ◎アンチエイジングのスペシャルケアを使う  ・・・22.8%
│ ◎アンチエイジングの化粧水、乳液を使う   ・・・20.7%
│ ◎ストレッチ・運動をする    ・・・19.2%
│ ◎規則正しい生活を送る         ・・・18.8%
│ ◎食生活にこだわる       ・・・17.9%
│ ◎睡眠にこだわる             ・・・16.2%
│ ◎パックなどのスペシャルケアを使う      ・・・14.0%
│ ◎入浴にこだわる              ・・・12.7%
│ ◎美顔器、美容家電を使う       ・・・12.7%
│ ◎エステサロンで施術する        ・・・12.0%
│ ◎ダイエットをする     ・・・10.3%
│ ◎健康食品、サプリメントを摂取する     ・・・9.8%
│ ◎プチ整形をする             ・・・6.1%
│ ◎化粧水、乳液を使う             ・・・4.7%
│ ◎この中にはない         ・・・2.5%
│ ◎美容整形をする    ・・・1.5%
│ ◎特にない            ・・・13.6%
└───────────────────────────────
第1位、2位を「アンチエイジング系コスメ」が独占!
「パックなどのスペシャルケア」への関心も多く、
「肌ケア」に対しての期待が高いことがわかります!

Q4、5の質問は「見た目年齢」について。
本音と理想を一気に探ります。
┌───────────────────────────────
│Q4:現在のあなたの見た目年齢は、実際の年齢とどのくらい
│   差異があると思いますか?<単一回答>

│ ◎年下に見える               ・・・45.9%
│ ◎実際の年齢相応に見える          ・・・24.5%
│ ◎気にしたことがない           ・・・10.1% 
│ ◎年上に見える        ・・・9.2%
│ ◎わからない               ・・・10.3% 
└───────────────────────────────
┌───────────────────────────────
│Q5:あなたは見た目年齢を、人からどのように
│   見られたいですか?<単一回答>

│ ◎年下に見られたい             ・・・65.3%
│ ◎実際の年齢相応に見られたい        ・・・20.3%
│ ◎気にしたことがない           ・・・9.8% 
│ ◎年上に見られたい        ・・・1.3%
│ ◎わからない               ・・・3.3% 
└───────────────────────────────
アンチエイジングを求める一方、自分の見た目年齢は
「年下に見える」「年歳相応」と答えた人は約70%!

どのように見られたいか?という理想に対しても
「年下」だけでなく、「年齢相応」も20%となるなど、
エイジングケアとは単に「若返り」だけでなく、
「美容維持」を求めている人が多いことが伺えます!

最後は「人からの評価」についての質問。
実はこれも良いクリエイティブ作りの為には、
是非知っておきたい情報です!
┌───────────────────────────────
│Q6:あなたの外見について、どなたからの評価が一番気になりますか。
│   (服装、スタイル等含む)<単一回答>

│ ◎同性                   ・・・62.6%
│ ◎異性                   ・・・14.6%
│ ◎気にしたことがない            ・・・22.8%
└───────────────────────────────
何と6割以上の女性が「同性からの評価」を気にすると回答。

とくにエイジングケア商材については「異性に良く思われたい」
というよりは「同級生には負けたくない!」的な女性心理の
表れではないでしょうか。

—————————————————————–
▽▲「エイジングケア」は【行政】も大注目。だから!基本をしっかり▽▲
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歳を重ねても若々しい美しさを保つ「美魔女」人気もあり、
今後ますます市場規模を拡大すると見られる「年齢対策」商材。

他社との差別化をはかり、「選ばれる商品」になる為にも
しっかり薬事をおさえておく方が◎!

とくに「エイジングケア」については行政の関心も高く、
行き過ぎた表現をした場合は即不可となるリスクがあるだけに
まずは基本をおさらいしていきましょう!

まず、化粧品について。

こちらについては「化粧品等の適正広告ガイドライン」に
————————————————————–
(1)エイジングケアのガイドラインにおける定義
・エイジングケアとは、加齢によって変化している現在の肌状態に
応じて、化粧品等に認められた効能・効果の範囲内で行う、年齢
 に応じた化粧品等によるケアのことである。

(2)認められる表現の範囲
年齢に応じた化粧品等の効能効果の範囲内のケアの
「エイジングケア」を用いた表現

(3)認められない表現の範囲
「エイジングケア」を標榜しながら若返り、老化防止、シワ・たるみ
の防止等の化粧品等の効能効果の範囲を逸脱した「エイジングケア」
を用いた表現

例えば、
a)素肌の若返り効果に関するエイジングケア表現
b)素肌の加齢による老化防止効果に関するエイジングケア表現
c)加齢によるシワ・たるみの防止、改善に関するエイジングケア表現
d)配合成分、作用機序の説明で老化防止を標榜したエイジングケア表現
e)肌質改善し、老化防止を標傍するエイジングケア表現
—————————————————————–
となっております。

その為、標ぼうできる効果はあくまでも
「化粧品に認められた効能・効果」の範囲のみ。
「エイジング系」化粧品であってもこれを逸脱した場合は
薬事法違反となります。

また、このガイドラインにはさまざまな具体例がしるされておりますが、
とくに「即不可」となりやすいNGワード的な表現として・・・
——————————————————————
・若さは再び戻る、よみがえる・・・などの若返り効果
・老化、酸化、活性酸素
・アンチエイジング
・シワ(「乾燥による小じわを防ぐ」は除く)、シミ、たるみ
・コラーゲンの生成能力を高める・・・など肌機能への言及
——————————————————————
などがあります。
これらの表現は化粧品の効能効果の範囲を大幅に逸脱した
『医薬品的な薬理効果』とみなされる可能性が高い為、
行政から一発退場!となる懸念があるのでご注意ください。

ですが、シワ、シミなどについては<参考>として、
——————————————————————–
「エイジングケア」の定義には含まれないが、メーキャップ等の
物理的効果は、化粧品の56の効能効果の範囲内であっても、化粧品の
効能を逸脱したものであると判断されないことから、
メーキャップ効果等の物理的効果による「エイジングケア」を
表現することは、事実に反しない限り可能である。

例:メーキャップ効果等の物理的効果によって加齢による
  肌の老化又は加齢によらない紫外線や乾燥などによる
  肌老化を目立たなくする旨の表現

 ・年齢のサイン(しみ・くすみ・しわ)をおおうエイジングケア
 ・年齢のサイン(しみ・くすみ・しわ)を隠すエイジングケア
 ・年齢のサイン(しみ・くすみ・しわ)を見えにくくするエイジングケア
 ・若く見せるエイジングケア(ただし、メーキャップ効果等の
  物理的効果であることが判ること)
 ・皮膚形成成分が乾燥過程で収縮する等の物理的効果によって
  しわを伸ばすエイジングケア
  (ただし、物理的効果によることが事実である場合に限る)
———————————————————————
とあります。

以上のことから化粧水や乳液、美容液、クリームなどでは
標ぼうはできませんが、「下地効果」のあるような
「オールインワン」タイプのクリームなどの場合、
物理的効果であることを明らかにしていれば、「エイジングケア」で
インパクトの高い「しみ・しわ」などを標ぼうすることはできます!

次に健康食品ですが、
10月第1週に発行(Vol.220)のメルマガで取り扱いましたので
復習としてご紹介致します。

健康食品は基本的に『身体機能の向上・改善効果の暗示』が
即不可となる為、化粧品でも不可である「アンチエイジング」
「若返り」は一切不可となります。

また化粧品では「美容維持」的な「美しさを保つ」「キレイな肌を保つ」
などは化粧品の効能効果の範囲内として使用できますが、
健康食品では「永続的な効果の暗示」「アンチエイジング」
とみなされる為、行政は不可という判断をしております。

さらに「若い」「いつまでも」といった表現もできれば
避けた方がベター!
万全を期すならば「若々しく」「いつも」などに
留める方がよいでしょう。

ですので、健康食品では「イメージ」で「エイジングケア」を
暗示させることが重要になってきますが、例えば
———————————————————————
・「美魔女」のキレイの秘密
・来月は「同窓会」!今すぐなんとかしたい!
・「あの人に勝ちたい・・・」
・幼稚園ママの目が気になる・・・
———————————————————————
といった今話題のキーワードをからめて「エイジング」対策を暗示させたり、
アンケートでもあったように「異性の評価が気になる」という「女心」に
働きかけるような手法でPRするのも良いでしょう。

また健康食品では「ビフォーアフター」の見せ方は即不可ではない為、
ビジュアル的に商品の「エイジング効果」を暗示させることも!
ただし、使用前と使用後では「髪型やメイク、洋服」などは変えて
掲載されることが必須。

全く同じ状態の比較・・・となると、商品を使用することでの
『身体機能への作用』『若返り』などと解釈される恐れが
十分に高いので、注意が必要です。
 
 
 
 
 

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