Vol.163 コピーライティング知恵袋
~ダジャレのセンスでコピーをつくろう~
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▲▽ドリンク剤の種類▽▲
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いわゆる健康ドリンク(栄養ドリンク)は大きく分けて、4種類あります。
・清涼飲料水
・医薬部外品
・医薬品
(※ドリンクタイプの特定保健用食品も、清涼飲料水に
カテゴライズされます)
それぞれ、製品特性が似たジャンルにあっても、効能効果、
配合量など、定められた法律に従わなくてはなりません。
上記の4種類の中で、もっとも多くの効能効果を謳うことを
許されているのが医薬品のドリンクです。
効能効果の面からみると有利なように思われますが、販売場所が
薬局、薬店に限定されてしまうため、販売展開としては不利に
なってしまう場合もあります。
また広告においても、医薬品等適正広告基準の制限を受けますので、
言いたいことが言えない場合も多くあるでしょう。
逆に、効能効果を記載できない清涼飲料水は、広告展開で不利に
思われがちですが、店頭はもちろん自動販売機を含め、
多くの人目に触れる場所で販売展開が可能です。
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▲▽ドリンク剤の販路▽▲
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健康ドリンクの多くは、一本売りとケース買いとで、
同じ製品でも販路が異なります。
駅前の薬局や薬店、ビジネス街のコンビニでは、まず、ケースで
健康ドリンクを購入する人はいません。
しかし、継続的に飲用を続ける客層にとっては駅前の薬店で
毎日買うより、できるだけまとめ買いすることで、コストを
抑えることを望み、ケース購入は郊外など駐車場のある
利便性が高い店舗が圧倒的有利です。
通信販売も、自宅まで重いものが届くという意味では、
ケース買いのメリットが感じやすい販路です。
商品の特性(法律、飲用ペース、価格など)を踏まえ、製品に
マッチした販路を正しく適応することがヒットへの近道です。
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▲▽細分化されたターゲット▽▲
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バブル期末まで、疲れや二日酔い、スポーツ飲料など数種類の
ブランドを男性中心に展開してきた健康ドリンク。
しかし、そのニーズは現在細分化され、年齢、性別、用途などを
細かく設定開発されるようになりました。
とくに、流行に敏感な女性向けの製品、若年層向けスポーツ系
ドリンクは、毎年リニューアルを繰り返すなど、常に時代の
流行を取り入れ、デビューします。
しかし、その多くはロングランに成長することなく、
マーケットから消えていきます。
女性、若年層へのアプローチは流行を取り入れることで
比較的簡単でも、継続するにはいろいろな面で”ハマる”
セールスポイントが必要になります。
その中で、女性をターゲットにし、朝飲むことを推奨している
ロングランヒット製品のコピーを紹介します。
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▲▽コピーの紹介▽▲
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【キレートレモン】
発売元: 株式会社 ポッカコーポレーション
製品分類: 清涼飲料水
販路: スーパー、コンビニ、キオスクなど
価格: オープン価格
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■参考コピー
・瞬間 リフレッシュ!!!
・朝シャキフレーズ
・朝活診断
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今回、注目したのは、コピーはもちろんですが、
「キレートレモン」という製品名についてです。
「キレート」とは、キレーション治療という医療技術から
定着した言葉です。
とくに、デトックス美容が注目された頃にメディアを
通じて広がりました。
元は、鉛中毒患者の治療として使用されていた
排毒作用のある治療方法です。
現在、美容クリニックなどではキレーション治療として、
健康や美容のために合成アミノ酸をビタミンやミネラルと共に
点滴されます。
また、そのようなキレート作用を持つと言われる食品も注目され、
頻繁に雑誌などで取り上げられるようになりました。
それらの食品には、デトックスや抗酸化があるとされています。
体内浄化を活性化させ、毒素(二日酔いのアルコールなど)を
排出するという考えです。
もちろん、このすべては雑誌などで広まったイメージ効果であり、
実際にそのような効果を食品や飲料で示すことはできません。
本来標ぼうできない「キレート」効果を、まるでダジャレのように
“「キレイ」と「レモン」”に分けて、名付けられた
『キレートレモン』の製品名は、大変絶妙です。
結果、発売以来、美意識、健康意識高い女性の心を掴み
ヒットを続けています。
とくに、女性の二日酔い、”毒素”を排出するキレート効果を
意識させるのにとても”ハマる”コピーです。
もちろん、デトックス、キレーション、キレートなどの効果を
そのままコピーとして用いることはできません。
それはドリンク商材に「肝臓」という言葉は使用できませんが、
「肝心要」といった言葉を用いるのが可能であるのと似た表現方法です。
また、飲むタイミングをそこはかとなく連想させることで、
二日酔いに対する効果を期待させることに成功しています。
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▲▽二日酔いのメカニズム▽▲
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二日酔いとは、お酒などのアルコール飲料を代謝能力以上に
摂取することによの起床後に現れる不快感を伴う症状です。
効果的な対応として、一番は水分補給が挙げられます。
そういう意味、健康ドリンクの位置づけが医薬品であれ、
清涼飲料水であれ、まず基本となる水分を有効な成分と
摂取するということは理にかなっています。
ただ、医薬品、部外品でないと、それらの効果として
記載するのは難しいのです。
だからこそ、製品を「こんな時に飲んでください」という
メッセージを連想させる言葉を組み合わせて、
少々ダジャレのようになっても、薬事法対策として
利用しないのはもったいないことです。
是非、言葉遊びの感覚で”ハマる”コピーを
考えてみてはいかがでしょうか?
売りたいけれども、法律もちゃんと守りたい。
迷われた際は、薬事法広告研究所まで、お気軽にご相談ください。
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