Vol.140 コピーライティング知恵袋

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Vol.140 コピーライティング知恵袋

 リップ系化粧品のコピーについて

~メイク効果・トリートメント効果の違いを明確に~
 
 
女性が初めて「メイク」を施す部分といえば、唇ではないでしょうか?
母親の持っている化粧品の中でも、もっとも好奇心を誘うのが口紅です。

これは、とくに女性に強く表れる好奇心のようで、霊長類であるサルは、
成熟したサインの1つとして顔が赤くなるというのがあり、
その名残として本能的に唇を彩りたくなるのだとか。
今回は、女性の本能をかき立てるリップ系化粧品の歴史と
コピーについてです。

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▽▲ほかの皮膚とは違う唇▽▲
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皮膚の中でも、角質層がなく粘膜のまま365日外気に
さらされているのは、瞳と唇くらいです。
瞳には涙腺があり、常に潤いがキープされるようになっていますが、
唇には皮膚のように、汗腺や皮脂線がありません。
驚くほど無防備な部分、それが唇です。
そのため、唇は現在の体調を顕著に表します。体温が低下すれば、
すぐに紫色になり、また、疲れるとカサカサとしヒビ割れ、
ひどい場合にはヘルペスが出たりします。
ドラマや映画でも病人を演じる際は、必ず唇から血色やツヤを隠します。
唇は、健康状態の「今」をとても明確に表す部分なのです。

そのため、唇を美しく見せたいという思いは、元をただせば
「健康で若々しいと思われたい」という、とてもシンプルな
美容願望の表れだと考えられます。

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▽▲唇を彩った化粧品の歴史▽▲
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顔の中でも、激しく酷使されている唇。そのため、口元は
シワができやすく、老化サインの出やすいパーツです。

冬場、気温の低下と共に一気にリップクリームなどの保湿製品の
需要は伸びますが、本来は年中通してケアが必要です。
口紅というと、スティック状のものを思い浮かべますが、
最初に口紅がスティック状にされたのは、1870年ゲラン社によるものが
初めてとされています。
それまで、口紅は携帯するものではありませんでした。

リップステックの登場により、海外の裕福層では口紅は
持ち歩くものと認識されはじめました。
日本では、資生堂により1929年スティック状の口紅が発売されました。
その後、日本国内で「口紅はスティック状で持ち歩くもの」と
一般に認識され始めたのは、1930年代になってからだと言われています。
当時の口紅は現在の色つきリップのマットタイプのような仕上がりでした。
マリリン・モンローのようにはっきりとした赤い色を付ける口紅が、
日本でもてはやされるようになったのは終戦後からです。

1950年代には、パール素材を配合する技術が開発され、60年代からは
ピンクが口紅の流行色になりました。
その後、60年代後半には、ヌードカラーの口紅が流行ったかと思うと、
サーファーメイクに映える蛍光色が流行るなど、高度成長期は
口紅の流行色と共に女性を変えていきました。

バブル到来の80年代は、パールピンク派と赤派が人気を二分。
90年代にはフュ―シャーピンクと呼ばれた、青味の強いピンクが大流行し、
93年ごろから急激にローズなど、唇のメイクを主張しすぎない色へと
流行が移り始めました。
スーパーモデルの影響から、リップペンシルをアイテムに加えて
メイクする方法が流行り、2000年には、口紅による発色より、
ラメが加えられたり、艶や、ヌルヌルとした質感でメイクを飾る
グロスタイプがリップメイクの中心となり始めました。

現在は、「口紅」という言葉はスティック状のものだけを
表すものではなくなり、固形状、リキッド状など、さまざまな形状になり
グロスとの境目も曖昧になりました。

口紅は、歴史上もっとも売れているメイクアップ製品です。
現在の多様化も、売れる製品だからこその結果です。

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▽▲多用される表現▽▲
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リップ系化粧品のコピーを制作する際に、注意が必要なポイントは、
上記で述べたように、メイクアップとしての商品の多様化により、
製品の効果がメイクアップによる効果なのか、保湿などの
トリートメントによる効果なのかが、曖昧になってしまいやすい点です。

また、実のところ消費者側にも、この線引はできていないところがあり、
「口紅でありながら、乾燥を防ぐ」または「リップクリームなのに
健康的に見せてくれる」などのニーズにあります。
リップ系化粧品には、メイクアップ的効果と、トリートメント的効果の
両方を求める傾向が強くなっています。

このような両方の表現を、薬事法に触れることなく明確に表しつつ、
製品の魅力を伝えるためには、どのような表現を使用すれば
いいのでしょうか?
この問題をクリアーしながら、ヒット製品を出した
エテュセのコピーを参考にしてみましょう。

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▽▲コピーの紹介▽▲
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【リップエッセンス(ディープモイスト)】
発売元: 株式会社 エテュセ
製品分類: リップエッセンス
容量: 8g
販路:コスメショップ、ドラックスストア、通販など
製品特性: 冬季限定・高保湿製品
価格: メーカー希望小売価格1.260円(税込)

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■メインコピー
 カサカサ唇を赤ちゃんピンクに!
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「赤ちゃんピンクに!」この言葉は白い肌に、さくらんぼのように
ほんのり赤く、艶のある唇を連想させます。
もちろん、限りなく若々しく健康的なイメージも付いてきます。
可愛い赤ちゃんのビジュアルと、コピーを上手く連鎖させながら、
決してリップ系化粧品では低価格ではないにも関わらず、
ヒットに導いた一例ではないでしょうか?
(※リップクリームの売れ筋価格は198円~498円前後と言われています)
リップ系化粧品のニーズはファンデーションのニーズにも似ています。

≪補足≫
「赤ちゃん」という言葉を使用する事で、唇の若返り効果を
連想させる場合には、不可になる可能性があります。
上記紹介の商品は、実際にピンク色であり、ツヤを与えることで
『赤ちゃんピンク』という色及び塗った後の状態を形容できるものと
推察致します。

ファンデーションもここ数年、スキンケアとメイクアップの
機能両方を求められています。
メイクアップにはシワや色ムラ、シミをメイクアップ効果による
目の錯覚で目立たなくする効果は認められていますが、
トリートメント効果では表現できません。
その両方を兼ね備えた製品ならば、明確にしたうえコピーで
表現することが大切です。

迷った時はぜひ、薬事法広告研究所までご相談ください。
 
 
 
 
 

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