サプリ販売業者を業務停止 定期購入の解約料巡り
消費者庁は19日、ダイエット用のサプリメントなどを販売する「ピュレアス」(東京都渋谷区)が、宣伝内容に反して解約料を請求していたのは特定商取引法に違反するとして、3カ月の一部業務停止、坂本圭悟代表取締役に3カ月の一部業務禁止を命じたと発表した。命令は16日付。同社を巡っては2021年度以降、全国の消費生活センターなどに7453件の相談があった。
消費者庁によると、同社は「ワンズアップ」というサプリを販売。少なくとも25年7月~10月、自社のウェブサイトなどの広告に初回は500円で購入可能で、定期購入は必須ではないかのように表示していた。実際には2回目以降を買わない場合、解約料として9480円を請求していた。
参照元:47NEWS(2026/3/19より)
Contents
ニュースの概要
消費者庁によると、ピュレアスはダイエットサプリメント「ワンズアップ」を販売する際、自社サイトなどで初回500円で購入できることを強調し、定期購入が必須ではないかのように表示していました。
しかし実際には、2回目以降の商品を購入せずに解約する場合、9,480円の解約料を請求していたとされています。
消費者庁は、広告で受ける印象と実際の契約条件との間に差があり、消費者が契約内容を適切に認識しにくい表示だったとして、特定商取引法違反に該当すると判断しました。
同社を巡っては、2021年度以降、全国の消費生活センターなどに7,453件もの相談が寄せられていたことも公表されています。
問題となったのは「契約条件の分かりにくさ」
今回問題となったのは、解約料の存在そのものではなく、消費者が広告から受ける印象と実際の契約条件との間に大きな差があった点です。
消費者は広告を見て、
- 初回500円で試せる
- 定期購入ではない
- 気軽に解約できる
と理解する可能性があります。
実際には解約時に高額な費用が発生するのであれば、その条件は契約判断に大きな影響を与える重要な情報です。
そのため、事業者には消費者が容易に認識できる形で契約条件を表示することが求められます。
なぜ特定商取引法違反になったのか
通信販売では、購入条件や支払条件、解約条件などの重要事項を消費者が理解できるように表示しなければなりません。
近年、消費者庁は
- 定期購入であることが分かりにくい表示
- 解約条件を小さく表示する手法
- 最終確認画面で初めて重要条件を表示する手法
などを問題視しています。
今回のケースでは、広告全体から受ける印象と実際の契約内容との間に大きな差があり、消費者の適切な判断を妨げる表示であったと判断されたものと考えられます。
ダークパターンと共通する考え方
今回の事案は特定商取引法違反として処分されたものですが、近年問題視されている「ダークパターン」と共通する側面も見られます。
ダークパターンとは、消費者を意図しない契約や選択へ誘導するために、表示や画面設計を工夫する手法を指します。
例えば、
- お得な価格やメリットだけを強調する
- 不利な条件を見つけにくくする
- 契約条件を分かりづらく表示する
- 消費者が十分に比較・検討する機会を減らす
といった手法が挙げられます。
今回のケースでは、「初回500円」という価格訴求が強調される一方で、解約時に9,480円の費用が発生する契約条件について、消費者が広告から十分に認識できていたかが問題となりました。
消費者庁が本件をダークパターンと認定したわけではありませんが、消費者が契約条件を十分に理解しないまま申し込みを行うリスクがあったという点では、近年問題視されているダークパターンと共通する特徴が見られる事例といえるでしょう。
事業者が注意すべきポイント
1.契約条件は消費者が理解できる形で表示する
重要事項は表示していればよいわけではありません。消費者が通常の閲覧方法で容易に認識できるかどうかが重要です。
特に定期購入の有無や解約条件、追加費用の発生条件などは、申込前の段階で分かりやすく表示する必要があります。
2.強調表示と重要事項のバランスを見直す
広告ではメリットばかりを大きく表示し、不利な条件を小さく掲載するケースがあります。
しかし、消費者が受ける全体的な印象によっては、実際の契約内容と異なる認識を与えてしまう可能性があります。
価格訴求を行う際は、契約条件とのバランスが取れているかを確認することが重要です。
3.重要事項は広告段階から分かりやすく表示する
通信販売では、消費者が契約前に重要な条件を十分理解できるように表示することが求められます。
特に、定期購入の有無や解約条件、追加費用の発生条件などは、消費者の購入判断に大きな影響を与える情報です。広告や申込ページの段階から分かりやすく伝え、消費者に誤解を与えない表示となっているかを確認することが重要です。
4.解約条件を定期的に点検する
定期購入やサブスクリプション型サービスでは、解約条件に関する苦情が多く発生します。
事業者は定期的に自社サイトを確認し、
- 解約条件が分かりやすいか
- 誤解を招く表現がないか
- 問い合わせが集中していないか
を点検することが重要です。
行政処分から学ぶべき教訓
今回の事案では、消費者庁が事業者に対して業務停止命令と業務禁止命令を出すという厳しい対応を行いました。
通信販売市場では、定期購入やサブスクリプション契約を巡るトラブルが依然として多く発生しています。そのため、消費者庁も表示や契約条件に関する監視を強化しています。
事業者は「法令上記載しているから問題ない」と考えるのではなく、消費者がどのように受け取るかという視点で表示内容を確認することが重要です。
まとめ
今回の事案では、初回500円という価格訴求と実際の解約条件との間に大きなギャップがあったことが問題となりました。
通信販売では、契約条件や解約条件を分かりやすく表示し、消費者が適切な判断を行える環境を整えることが求められます。
特に定期購入やサブスクリプション型サービスを取り扱う事業者は、広告全体の印象と実際の契約内容にズレが生じていないかを改めて確認し、消費者目線での表示改善を進めることが重要です。
このニュースから学んでおきたい知識




「初回500円で試せる」「定期購入ではない」と思って申し込んだにもかかわらず、解約時に高額な費用を請求される――。
こうした通信販売を巡るトラブルは後を絶ちません。
消費者庁は2026年3月、ダイエットサプリメントを販売する「ピュレアス」に対し、特定商取引法違反を理由として3カ月の一部業務停止命令を出しました。
今回の事案は、定期購入や解約条件の表示方法について、事業者が改めて見直す必要性を示すものとなっています。