薬機法・景表法ニュース

“吸収量200cc”表示に根拠示せず――尿漏れ対策下着で措置命令【2026年4月28日】

尿漏れ対策うたう下着「吸収量200cc」宣伝に根拠なし 2社処分

尿漏れ対策をうたう下着の宣伝内容をめぐり、景品表示法違反(優良誤認表示)があったとして、消費者庁は28日、販売業者2社に対し、再発防止策を講じることなどを求める措置命令を出したと発表した。

 2社は東京都千代田区の「boxXXX(ボックスエックス)」と福岡市中央区の「Beiiiii(ビー)」。

 同庁によると、box社は2025年3月から今年3月までの間、尿失禁対策用の下着「NOMORE(ノモレ)」を販売するにあたり、自社サイトで「業界トップクラス 吸収量200cc」などと宣伝。
Be社も25年3月から同年6月までの間、「吸収量200ccで多い日も安心して過ごせる」などと表示。両社はともに1枚4980円で販売していた。両社は同じ商品の宣伝で、吸収量を100ccとしていたケースもあった。

 両社が販売していた下着は同一商品で、この商品に関するBe社の販売サイトは、box社が作成していたという。

 同庁は宣伝でうたっている効果や性能があるかどうかを確かめるため、両社に資料提出を求めた。box社は資料を提出したが、吸収量を調べる実験方法に問題があり、根拠として認められなかったという。Be社は資料を提出しなかった。

 各地の消費生活センターなどには、23年2月から今年1月にかけて「NOMORE」に関して吸収量などに関する相談が26件寄せられていた。

参照元:朝日新聞(2026年4月28日より)

消費者庁は、尿漏れ対策をうたう下着「NOMORE(ノモレ)」の広告表示について、景品表示法に違反する「優良誤認表示」があったとして、販売業者である boxXXX と Beiiiii に対して措置命令を行いました。

両社は商品について「吸収量200cc」などと表示していましたが、その性能を裏付ける合理的な根拠が確認できず、消費者庁は景品表示法違反に該当すると判断しました。

本件は、健康や衛生に関わる商品の広告表示において、事業者がどのような点に注意しなければならないかを示す重要な事例といえます。

今回のニュースの問題点

1. 「吸収量200cc」という性能表示に根拠がなかった

問題となったのは、両社が販売していた尿失禁対策用下着「NOMORE」に関する性能表示です。

広告では、

  • 業界トップクラス 吸収量200cc
  • 吸収量200ccで多い日も安心して過ごせる

などと表示されていました。

しかし、消費者庁が根拠資料の提出を求めたところ、boxXXX社が提出した資料は実験方法に問題があり、表示内容を裏付けるものとして認められませんでした。また、Beiiiii社は資料自体を提出しませんでした。

つまり、消費者が「200ccもの尿を吸収できる高性能な商品」と認識する可能性があるにもかかわらず、その性能を客観的に証明できなかったことが問題視されたのです。

2. 同一商品で異なる吸収量を表示していた

さらに問題となったのが、同じ商品でありながら、

  • 吸収量200cc
  • 吸収量100cc

という異なる表示が確認されていた点です。

性能表示は商品の品質を判断する重要な情報です。同じ商品について異なる数値が表示されていれば、消費者はどちらが正しいのか判断できません。

このような不整合は、広告表示の信頼性そのものを損なう要因となります。

3. 健康関連商品のため消費者への影響が大きい

尿漏れ対策商品は、高齢者や出産後の女性など、日常生活に不安を抱える人々が利用する商品です。
消費者は広告に記載された吸収性能を信頼して購入を判断します。

もし実際の性能が表示内容を下回れば、

  • 漏れによる衣類の汚損
  • 外出時の不安
  • 精神的なストレス

などにつながる可能性があります。

そのため、今回のような性能表示の誤りは、単なる広告上の問題ではなく、消費者の生活にも直接影響を与える重大な問題といえます。

優良誤認表示とは

優良誤認表示とは、商品やサービスの品質、性能、効果などについて、実際よりも著しく優れているように見せる表示を指します。

景品表示法では、消費者が誤った判断をしないよう、このような表示を禁止しています。

代表的な例としては、

  • 実際より高い性能をうたう
  • 十分な検証を行わず効果を断定する
  • 科学的根拠のない効能を表示する
  • 客観的データがないまま「業界No.1」と表示する

などがあります。

今回のケースは、吸収量という性能数値に合理的根拠がなかったことから、優良誤認表示と判断されました。

事業者が注意すべき点

1. 性能や効果を表示する場合は客観的な根拠を準備する

商品の性能や効果を広告で訴求する場合には、その内容を裏付ける客観的かつ合理的な根拠を事前に保有しておく必要があります。

特に「○○cc吸収」「除菌率99%」「売上No.1」など数値を用いた表示は、消費者に強い印象を与えるため、第三者が見ても妥当と判断できる試験結果や調査データが求められます

広告掲載後に慌てて根拠を集めるのではなく、表示を開始する前に十分な検証を完了しておくことが重要です。

2.試験方法の妥当性を確認する

仮に試験データを保有していても、その試験方法自体に問題があれば根拠として認められない可能性があります。
今回も、提出された資料は実験方法に問題があるとして認められませんでした。

そのため事業者は、

  • 業界標準の試験方法を採用する
  • 第三者機関による試験を活用する
  • 試験条件を明確に記録する

など、信頼性の高い検証体制を整備する必要があります。

3. 広告内容の整合性を確保する

同一商品について異なる性能表示が行われると、消費者に混乱を与えるだけでなく、行政から不適切な表示と判断されるリスクも高まります。
ECサイト、自社サイト、SNS広告、パンフレットなど、複数の媒体で広告を展開している場合には、表示内容が統一されているか定期的に確認することが重要です。

4. 法令チェックを怠らない体制づくり

今回の事案では、同一商品の販売サイトを一方の事業者が作成していたとされています。

しかし、景品表示法上は「誰が広告を作ったか」だけでなく、「誰が販売していたか」も重要な判断要素となります。

代理店や制作会社に広告制作を依頼していたとしても、最終的な表示内容の確認責任は事業者自身にあります。

広告を外部委託している場合でも、法令チェックを怠らない体制づくりが必要です。

5. 社内コンプライアンス体制を強化する

近年、消費者庁は健康食品、美容商品、衛生用品などの広告表示に対する監視を強化しています。

そのため事業者は、

  • 景品表示法研修の実施
  • 広告審査フローの整備
  • 法務部門による事前確認
  • 表示根拠資料の保管

といったコンプライアンス体制を構築することが求められます。

問題が発覚してから対応するのではなく、未然に防止する仕組みを整えることが重要です。

まとめ

今回の事案は、「吸収量200cc」という性能表示について、合理的な根拠を示せなかったことが大きな問題でした。

景品表示法では、商品の品質や性能について消費者を誤認させる優良誤認表示を厳しく規制しています。

特に健康・衛生関連商品では、消費者が表示内容を信頼して購入を決定するため、事業者にはより高い説明責任が求められます。

事業者は、広告表現のインパクトを追求するだけでなく、「その表示を客観的に証明できるか」という視点を常に持つ必要があります。

根拠のない性能表示は、一時的な売上向上につながったとしても、行政処分や企業信用の失墜という大きな代償を招くことを忘れてはならないでしょう。

このニュースから学んでおきたい知識

広告表現でお困りの方へ

「広告審査が通らない」「制作前に文言チェックをしておきたい」「この表現が使えるか相談したい」など、お困りのことがありましたらお気軽にお問い合せください。簡単な薬機チェックから、本格的なサービス構築まで幅広く対応致します。
サービスのお試しプランもご用意しておりますので、まずは弊社のサービスについてご一読ください。

まずはお試しから
オンライン相談可 最適プランご案内 初回無料相談 オンライン相談可 最適プランご案内 初回無料相談
メルマガ