ビッグローブ「期間限定」キャンペーン表示で有利誤認疑い
消費者庁は26日、光回線を用いたインターネット接続サービスを巡り、キャンペーン期間中に限り特典が受けられるかのような表示が景品表示法違反(有利誤認表示)の疑いがあるとして、大手プロバイダーのビッグローブに、自主的改善の代わりに措置命令などを免除する「確約手続き制度」を適用したと発表した。提出された改善計画を同日、認定した。
消費者庁によると、インターネット接続サービス「BIGLOBE光 auひかり」に関し2021年9月〜昨年9月、ウェブサイトで、最大12万6千円相当の特典が付くなどとして対象期間を表示していた。
別のサービス「ビッグローブ光」でも21年10月〜昨年9月、同様の有利誤認表示の疑いがあった。いずれも期間後に加入しても類似の特典が得られたとしている。
ウェブサイトには「継続実施の場合あり」との注釈があったが、消費者庁は「対象期間の表示と矛盾する上、どのような場合に継続するのか不明で、消費者に分かりにくい」としている。
参照元:日本経済新聞(2025年9月26日より)
Contents
ニュースの概要
2025年9月26日、消費者庁は、ビッグローブ株式会社に対し、景品表示法違反(有利誤認)の疑いで調査していた事案について、「確約手続き」を適用したと発表しました。
問題となったのは、インターネット接続サービス「BIGLOBE光 auひかり」「ビッグローブ光」のキャンペーン表示です。
同社はウェブサイト上で、
- 「新規&乗り換え特典」
- 「工事費実質0円」
- キャンペーン期間の表示
などを用いて、一定期間のみ特典を受けられるかのように表示していました。
しかし消費者庁は、実際には継続的に同様の特典提供が行われていた点などを問題視し、有利誤認に当たる疑いがあるとして調査を実施。
これに対し同社は、再発防止策や一部返金などを含む改善計画を提出し、消費者庁がその内容を認定しました。
なお、今回の「確約手続き」は、正式な違反認定ではありません。
ただし、“問題なし”という意味でもない点には注意が必要です。
今回の問題点はどこか
1. 「今だけ感」を演出していた点
今回のポイントは、単に「特典を表示した」ことではなく、“今申し込まないと損をする”と思わせるような「期間限定感」の演出にあります。
景品表示法では、実際より著しく有利に見せる表示を「有利誤認表示」といい、近年は特に、
- 今だけ
- ○日まで
- 期間限定
- 終了間近
といった“急がせる表示”への監視が強まっています。
実際には長期間同じ条件で販売しているにもかかわらず、期間限定であるかのように見せる場合、消費者の合理的な判断を妨げる表示と見なされる可能性があります。
また近年の景表法実務では、「条件を書いているか」ではなく、「一般消費者に適切に伝わっているか」が重視されます。たとえば、「工事費実質0円」「最大○万円還元」「実質無料」などの表示は、適用条件や例外が多く、表示方法によっては強い誤認リスクを伴います。
特に注意したいのは、「小さい文字で条件を書いているから大丈夫」という考え方が通用しにくくなっている点です。
現在は、広告全体の印象や、消費者が最初に受けるイメージが重視される傾向にあります。
今後、事業者が注意すべきポイント
1. 「期間限定」は本当に限定か確認する
以下のようなケースは特に注意が必要です。
- 毎月ほぼ同じキャンペーンを実施している
- 終了後すぐに類似特典を開始している
- 「○日まで」と書き換え続けている
- 実際には常時特典がある
この場合、“限定性”が実態と一致しているかを見直す必要があります。
2. “お得感”を強く見せる表示は条件とのバランスを取る
特にリスクが高いのは
- 実質0円
- 無料
- 今だけ
- 限定特典
などの強い訴求です。
条件が複雑な場合は、
- 適用条件
- 対象者
- 例外
- オプション加入要否
- 契約期間
などを、消費者が理解できる形で表示する必要があります。
3. LP全体・広告全体でチェックする
景表法では、一部分だけではなく、表示全体が見られます。
例えば、
- バナーでは「0円」
- 詳細ページで条件説明
- 申込画面で追加条件表示
という構成でも、最初の印象が強すぎる場合は問題となる可能性があります。
特に現在は、
- SNS広告
- 動画広告
- 比較サイト
- アフィリエイト
など、複数媒体を横断して表示が形成されるため、「全体として誤認を与えないか」が重要になっています。
まとめ
今回のビッグローブ株式会社の事案は、
- “期間限定感”の演出
- 「実質0円」などのお得表示
- 消費者を急がせる訴求
に対して、消費者庁の監視が強まっていることを示す事例といえます。
特に今後は、「表示として存在しているか」ではなく「消費者がどう受け取るか」という視点がより重要になるでしょう。
「今だけ」「限定」「終了間近」といった表現を使う事業者は、実態との整合性を改めて確認する必要があります。
このニュースから学んでおきたい知識




今回の発表で特に注目すべきなのは、措置命令ではなく「確約手続」が用いられた点です。
近年、景品表示法ではこの「確約手続」の活用が増えており、通信業界に限らず、EC・健康食品・化粧品・サブスクサービスなど幅広い業種に影響するテーマとなっています。
本記事では、今回のニュースのポイントと、事業者が今後注意すべき実務上の論点を整理します。