薬機法・景表法ニュース

機能性表示食品500検体を調査 11検体で届出値を下回る【2026年6月9日】

サプリ形状の買上調査結果が公表 【機能性表示食品】機能性関与成分含量、500品目中11品目で下回る

消費者庁が市販されている機能性表示食品の買上調査を実施したところ、500品目中11品目(約2%)で、機能性関与成分の含有量が表示値を下回っていた。同庁が9日、公表した。
 この買上調査は、2024年に生じた小林製薬「紅麹サプリ」健康被害問題を受け、機能性表示食品制度の信頼性向上を目的に、2024年度の補正予算で緊急的に実施。このため、買上対象品目は錠剤やカプセル剤などのいわゆる「サプリメント形状」に絞られ、これまでの買上調査で分析が行われたことのない品目からランダムに買い上げられた。

 同庁の発表によると、表示値を下回った11品目については、「当該商品の届出者を所管する地方自治体等に情報提供」した。そのうち5品目は、届出者が自主的に販売を中止するとともに届出を撤回。一方、残り6品目については、「継続販売のため表示の適正化に向けた改善対策を(届出者等が)実施すること等を確認した」という。届出者らで製造管理や品質管理などを見直すなどし、表示値を下回らないように是正する対策を自主的に実施したとみられる。

参照元:WellnessDailyNews(2026/6/10より)

消費者庁は2026年6月9日、「令和6年度補正予算における機能性表示食品に係る機能性関与成分に関する買上調査」の結果を公表しました。

市場で販売されている機能性表示食品500検体について、機能性関与成分の含有量を調査したところ、11検体で届出資料に記載された含有量を下回る結果となりました。

機能性表示食品は、事業者の責任において科学的根拠などを消費者庁に届け出ることで機能性を表示できる制度です。そのため、販売されている商品が届出内容と一致していることは、制度の信頼性を維持するうえで重要となります。

今回は、調査結果の概要とともに、機能性表示食品を取り扱う事業者が注意すべきポイントを解説します。

今回の買上調査とは

今回の調査では、市場で販売されている機能性表示食品500商品、機能性関与成分131成分が対象となりました。

1商品につき1ロットを購入し、原則として各商品の届出資料に記載されている分析方法を用いて、機能性関与成分の含有量等を分析しています。

さらに、日本食品分析センターによる分析で表示値の範囲外となった商品については、分析値の信頼性を確認するため、国立健康・栄養研究所による再分析も行われました。

この買上調査が強化された背景には、2024年3月に発生した紅麹関連製品の事案があります。

同事案を受け、機能性表示食品制度の信頼性を高めるための措置の一つとして、「事後チェックのための買上げ事業の対象件数の拡充」が掲げられていました。

500検体のうち11検体で届出値を下回る

調査報告書では、500品を調査した結果について、481品が表示値の範囲内、12品が表示値の範囲外を含む結果だったとしています。

この12品のうち、2つの機関による分析で表示値の範囲外となったものは11品でした。

消費者庁は、この11検体について届出資料に記載された含有量を下回ったとして、商品の届出者を所管する地方自治体等へ情報提供を行いました。

その後、5検体については事業者が商品の販売を中止し、機能性表示食品としての届出を撤回しています。

残る6検体については、継続販売に向けて表示の適正化に関する改善対策を実施することなどが確認されました。

なお、消費者庁は今回の実施結果から食品表示法第6条に基づく指示を行う事案と判断した場合には、適正な表示への是正を指示するとともに、同法第7条に基づき商品名や指示内容を公表する方針を示しています。

今回の調査から見えたもう一つの課題

今回注目したいのは、成分の含有量だけではなく、分析方法にも課題が確認されたことです。

報告書では、7品について「分析方法の修正が必要」と判断しています。

機能性関与成分の分析方法は、第三者機関でも定性・定量試験が実施できるものであることが前提となります。

しかし今回の調査では、第三者機関が試験を再現するために必要となる希釈率や均質化の方法、比重の測定方法などについても、分析方法を示す資料に記載すべきとの課題が示されました。

また、錠剤などの商品では、表示されている1粒当たりの質量を基準に計算すると表示値を下回る一方、実際に測定した質量で計算すると表示値を上回る商品も確認されています。

このため報告書では、機能性関与成分の含有量や分析方法について、粒質量のばらつきも考慮することが望ましいとしています。

事業者が注意すべきポイント

1.届出時だけでなく販売後も含有量を管理する

機能性表示食品では、届出時に必要な資料をそろえれば終わりではありません。実際に市場へ流通する商品についても、届出資料に記載した機能性関与成分の含有量が適切に確保されていることが重要です。


今回の調査結果を踏まえると、販売後も届出内容と実際の商品にずれが生じていないかを継続的に確認していくことが大切です。必要に応じて製造ロットごとの品質確認や分析を行うなど、機能性関与成分の含有量を適切に管理できる体制を整えておくことが望まれます。

2.分析方法の「再現性」まで確認する

今回の調査では、成分量だけでなく分析方法の記載内容も課題となりました。

自社や特定の分析機関だけが測定できる方法ではなく、第三者機関が届出資料を確認して同様の分析を行えるよう、希釈率や均質化方法、比重の測定方法など、必要な情報を適切に記載しておくことが重要です。

3.製品のばらつきを考慮した品質管理を行う

錠剤やカプセルなどでは、1粒当たりの重量に一定のばらつきが生じることがあります。今回の調査でも、表示された1粒質量と実測値の違いによって、機能性関与成分量の評価が変わる事例が確認されました。

事業者は、錠剤等の粒質量のばらつきも考慮し、最終製品における機能性関与成分の含有量を適切に管理することが重要です。

4.届出資料と実際の商品との整合性を確認する

機能性表示食品では、届出資料に記載した内容と、実際に市場へ流通している商品の内容が一致していることが重要です。
商品の発売後に原料や製造方法などを変更した場合には、その変更が機能性関与成分の含有量や分析方法に影響していないか確認する必要があります。届出資料と実際の商品仕様にずれが生じないよう、変更時や必要に応じて両者を照合できる体制を整えておくことが重要です。

5.「届出後の事後チェック」を前提とした体制を整える

今回の買上調査は、紅麹関連製品の事案を受けて、機能性表示食品制度の信頼性向上を目的に拡充されたものです。機能性表示食品は国による事前審査を受ける制度ではないからこそ、販売後の監視や事後チェックの重要性が高まっています。

事業者は「届出が受理されたから問題ない」と考えるのではなく、市場に流通した後に行政による買上調査や確認が行われることを前提として、届出・製造・品質管理・表示を一貫して管理することが求められます。

まとめ

今回の買上調査では、機能性表示食品500検体のうち、11検体で届出資料に記載された機能性関与成分の含有量を下回る結果となり、5検体が販売中止・届出撤回、6検体では表示の適正化に向けた改善対策が行われました。

また、7品で分析方法の修正が必要とされたことも、事業者にとって見逃せないポイントです。

機能性表示食品制度では、事業者自身が責任を持って科学的根拠や表示内容を管理することが基本となっています。今回の調査結果を踏まえると、今後は届出時の確認だけではなく、市場に流通している商品の成分量や分析方法まで含めた「販売後の品質管理」が、より重要になると考えられます。

事業者は、機能性関与成分が届出内容どおり確保されているかを継続的に確認するとともに、第三者による検証にも耐えられる分析・品質管理体制を整えておくことが重要です。

このニュースから学んでおきたい知識

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