「令和7年度における景品表示法等の運用状況及び表示等の適正化への取組」の公表について
消費者庁では、不当な表示及び過大な景品類の提供行為に対して、景品表示法の規定に基づいて厳正・迅速に対処するとともに、同法の普及・啓発に関する活動を行うなど、表示等の適正化に努めています。
この度、別添のとおり、令和7年4月1日から令和8年3月31日までの消費者庁における景品表示法の運用状況等を取りまとめましたので、公表します。
参照元:消費者庁(2026/5/28より)
Contents
令和7年度の景品表示法運用状況
令和7年度は、
- 措置命令13件
- 確約計画の認定8件
- 課徴金納付命令10件
- 指導388件
となりました。
措置命令の件数自体は前年度より減少している一方、指導件数は388件と非常に多く、消費者庁が違反のおそれがある広告について積極的に改善を求めていることが分かります。
また、令和6年10月から導入された確約手続制度も本格的に運用され、8件の認定が行われました。これは、事業者が自主的に改善計画を提出し、消費者庁が認定する新しい制度であり、行政処分のあり方にも変化が見られます。
有利誤認表示が最も多い違反類型に
令和7年度に行われた13件の措置命令の内訳は、以下のとおりです。
- 有利誤認:8件
- 優良誤認:3件
- 原産国表示:2件
実際の措置命令では、通常価格として表示していた価格に販売実績がなかった事例や、キャンペーン期間終了後も同様の条件でサービスを提供していた事例、将来の販売価格として十分な根拠のない価格と比較して安く見せていた事例などが確認されています。
価格の安さやお得感を訴求する際は、比較対象となる価格に十分な根拠があるか、期間限定などの表示が実際の販売条件と一致しているかを確認することが重要です。
インターネット広告への監視はさらに強化
今回の資料で特徴的なのは、インターネット広告への対応状況です。
令和7年度は、景品表示法に基づく改善指導324件、健康増進法に基づく改善指導589件が行われました。
SNS広告やECサイト、Web広告は更新が容易である一方、表示内容も頻繁に変更されます。そのため、消費者庁は令和5年度からインターネット広告に特化した監視を実施しており、今後も継続的な監視が行われることが想定されます。
実際に措置命令となった事例から見る傾向
令和7年度には、さまざまな業種で措置命令が行われました。
例えば、
- 通常価格に販売実績がないにもかかわらず「○%OFF」と表示した価格表示
- 期間限定キャンペーン終了後も同じ価格で販売していた事例
- 商品の効果を裏付ける合理的根拠が認められなかった事例
- 「広島初出店」と表示したものの、実際には過去に出店実績があった事例
など、業種を問わず幅広い違反が確認されています。
共通しているのは、消費者に実際よりも有利・優良であると誤認させる表示が問題視されている点です。
事業者が注意すべきポイント
1.価格表示は販売実績を必ず確認する
有利誤認表示は依然として最も多い違反類型です。「通常価格」「メーカー希望小売価格」「期間限定価格」などを表示する場合は、それぞれの表示について合理的な根拠があるかを事前に確認する必要があります。
2.広告表現には客観的な根拠を用意する
商品の性能や効果を訴求する場合は、表示内容を裏付ける合理的な根拠が求められます。科学的根拠や試験データが不十分な場合には、優良誤認表示として措置命令の対象となる可能性があります。
3.インターネット広告も例外ではない
ECサイトやSNS、動画広告なども景品表示法の対象です。表示内容は頻繁に更新されるため、公開後も継続的に表示内容を確認・管理することが重要です。
4.社内の広告チェック体制を見直す
令和7年度は388件もの指導が行われています。措置命令に至る前でも行政から改善を求められるケースは少なくありません。広告審査フローや表示管理体制を整備し、継続的に見直すことがリスク低減につながります。
5.ステルスマーケティング対策も忘れない
確約計画ではステルスマーケティングに関する案件も複数認定されました。口コミやインフルエンサー施策を行う事業者は、広告であることが適切に表示されているか、運用ルールを改めて確認することが重要です。
まとめ
今回の運用状況からは、価格表示やインターネット広告、ステルスマーケティングなど、幅広い表示について適正な運用が求められていることが分かります。
措置命令の件数だけを見ると減少傾向にありますが、その一方で指導件数は増加しており、行政は違反が疑われる段階から積極的に是正を求めています。
広告は「消費者にどう受け取られるか」が重要です。 表示内容だけでなく、写真やキャッチコピー、キャンペーン表現を含めた広告全体を定期的に見直し、景品表示法を踏まえた運用を行うことが、企業の信頼維持につながるでしょう。
このニュースから学んでおきたい知識




2026年5月28日、消費者庁は「令和7年度における景品表示法等の運用状況及び表示等の適正化への取組」を公表しました。
本資料では、令和7年度(2025年度)における措置命令や課徴金納付命令、確約計画の認定状況、インターネット広告への対応など、景品表示法の執行状況がまとめられています。
景品表示法違反は、大企業だけでなく中小企業やEC事業者、サービス業まで幅広い業種で発生しています。今回公表された内容から、景品表示法の運用状況と、事業者が広告表示を行う際に注意したいポイントについて整理します。