薬機法・景表法ニュース

月額1980円で受け放題? 実際は対象限定で確約認定【2025年12月16日】

ヨガ会社が有利誤認表示疑い 消費者庁、改善計画認定

消費者庁は16日、ヨガやピラティスのレッスンなどが実際より安い価格で受けられるかのような宣伝をしていたのは景品表示法違反(有利誤認表示)の疑いがあるとして、運営会社「SOELU(ソエル)」(東京・港)に、自主的改善の代わりに措置命令などを免除する「確約手続き制度」を適用したと発表した。
提出された改善計画を同日認定した。

消費者庁によると、2024年3月〜25年7月に自社のウェブサイトで、キャンペーン適用時は月々1980円(税抜き)で、ヨガのレッスンや、よもぎ蒸しなど、全てのサービスが「受け放題」になると思わせるような表示をしていた。
実際には1980円で利用できるのはごく一部に限られ、全メニューを無制限で受けるには1万円以上かかるという。

参照元:日本経済新聞(2025年12月16日より)

消費者庁は2025年12月16日、ヨガ・ピラティススタジオなどを運営するSOELUに対し、景品表示法違反(有利誤認表示)の疑いがあるとして、同社が提出した改善計画を認定しました。

問題となったのは、「月額1980円で全サービスが受け放題」であるかのような表示です。しかし実際には、1980円で利用できるサービスは一部に限られ、すべてのサービスを制限なく利用するためには1万円以上の料金が必要だったとされています。

本記事では、今回の事案の問題点と、事業者が注意すべきポイントについて解説します。

ニュースの概要

消費者庁は2025年12月16日、ヨガ・ピラティススタジオなどを運営するSOELUについて、景品表示法違反(有利誤認表示)の疑いがあるとして確約手続の対象とし、同社が提出した改善計画を認定しました。

しかし実際には、1980円で利用できる範囲は限定されており、すべてのサービスを自由に利用するには、より高額なプランが必要だったとされています。

消費者庁は、この表示が消費者に実際よりも有利な条件でサービスを利用できると誤認させるおそれがあるとして、確約手続の対象としました。

なお今回は措置命令ではなく、SOELUが提出した再発防止策などを盛り込んだ改善計画が認定されています。

今回の問題点はどこか

1.「受け放題」の範囲が実態と異なっていた

今回最も大きな問題は、「受け放題」という言葉から消費者が受ける印象と、実際のサービス内容に大きな差があった点です。

「受け放題」に対し、一般的な消費者は「全サービスが自由に利用できる」と理解する可能性があります。

しかし実際には、

  • 1980円で利用できるサービスは一部に限られていた
  • 全メニュー利用にはより高額なプランが必要だった

という状況であり、「受け放題」の意味する内容が広告上の印象と一致していませんでした。

2. 目立つ価格だけで有利に見せていた

月額1980円という価格は非常に訴求力があります。
合わせて「受け放題」と表示をすることによって、消費者は

  • 安く利用できる
  • コストパフォーマンスが高い

といった印象を持ちやすくなります。

一方で、実際には追加料金や上位プランへの加入が必要である場合、その条件が十分に伝わっていなければ、消費者は実態より有利な取引条件であると誤認するおそれがあります。

景品表示法では、このような価格や料金体系に関する誤認も有利誤認表示の対象となります。

3. 条件表示があっても誤認を防げるとは限らない

近年の景品表示法執行では、小さな文字による注記やページ下部の説明、別ページへのリンクだけでは十分な説明とは認められないケースが増えています。

たとえ利用条件をどこかに記載していたとしても、消費者が広告全体から受ける印象として「1980円で全サービス受け放題」と理解するのであれば、問題となる可能性があります。

重要なのは、事業者が伝えたい内容ではなく、消費者がどのように受け取るかです。

今後、事業者が注意すべきポイント

1.「受け放題」「使い放題」の範囲を明確にする

以下のような表現を使用する場合は注意が必要です。

  • 受け放題
  • 通い放題
  • 使い放題
  • 無制限

実際に対象外サービスや利用制限が存在する場合は、その内容を明確に示す必要があります。

2. 最安価格を強調する場合は条件も同程度に表示する

「月額○円」「初回○円」などの価格訴求は集客効果が高い一方で、適用条件が複雑な場合には景表法上のリスクが高まります。

特に、

  • 対象サービスが限定される
  • 一定期間のみ適用
  • オプション契約が必要

といった条件がある場合は、価格表示と同程度に認識できる形で示すことが重要です。

3.消費者目線で広告を点検する

広告担当者にとっては正確な説明のつもりでも、消費者は必ずしも細かな条件まで確認するとは限りません。

広告公開前には、

  • 初めて見る人はどう理解するか
  • 一番目立つ表現からどのような印象を受けるか
  • 条件や制限が十分に伝わるか

という観点で確認することが重要です。

まとめ

今回の事案では、「月額1980円で受け放題」という訴求によって、実際よりも有利な条件でサービスを利用できるかのような印象を与えたことが問題視されました。

景品表示法では、価格そのものだけでなく、「どの範囲まで利用できるのか」「どのような条件があるのか」といった取引条件についても、実態と異なる印象を与える表示は禁止されています。

特に近年は、サブスクや会員制サービスにおける「使い放題」「受け放題」「定額制」の表示が増えています。事業者は、消費者が広告から受ける印象と実際のサービス内容にズレが生じていないか、改めて確認することが求められるでしょう。

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