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輸入食品の販売時に気をつけるべきポイント
新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行されてから、海外旅行者数は120万人、対前年214.3%※とのことです。
※株式会社JTB「2023年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向」より
海外への動きが活発になり、海外の良品を日本へ輸入し販売をすることを計画されることもあるかもしれません。
例えば、
- アメリカのプロテイン
- 韓国の美容ドリンク
- タイのダイエットサプリ
- オーストラリアのプロポリスサプリ
など、様々な各国の特徴を生かしたものをベースにした商品があります。
これらを日本国内に輸入し、販売していく場合において、気を付けていかなければならないことを6つのポイントに分けて解説します。
<ポイント①>食品の含有成分の中に、医薬品でしか使えない成分が含有している場合には食品としての販売そのものができない
食品の含有成分の中に、医薬品でしか使えない成分が含有している場合には、食品添加物として等例外はありますが、原則、その時点で食品ではなく医薬品と見なされます。
よって、このような場合には都道府県の知事を経由して輸入販売業の許可の取得と品目ごとの承認が必要となり、(その他にも、外国の製造業者が薬機法第13条の3による認定を受けていないと、医薬品の製造販売承認が取れない等、様々な要件があります。)これら承認を受けずに販売を行うと無承認無許可医薬品とみなされ薬機法違反となります。
食薬区分のリストは、下記にてご確認ください。(各PDFファイル)
「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」
※いずれも、令和2年3月31日一部改正されております。
尚、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に収載されていないからといって、医薬品成分ではないとは限りません。「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」にも含まれていない場合には、その場での使用可否が判別できませんので、商品の輸入営業所がある都道府県の薬務課(薬事監視課)経由で厚生労働省へ照会する必要があります。
また、成分名の記載名称も、上記のリストに基づいて正確に明記するようにしましょう。
特に漢方系サプリメントの場合には生薬名がそのまま使用されている場合があります。食品として使用する場合には、原則として基源植物名等を使用し、生薬名を使用しないルールになっています。
例えば、ハンピ(反鼻)、サンヤク(山薬)、タイソウ(大棗)、シャゼンシ(車前子)、チンピ(陳皮)等が該当します。
それぞれ広告上、
ハンピ(反鼻) → マムシ
サンヤク(山薬) → ヤマイモ
タイソウ(大棗) → ナツメ
シャゼンシ(車前子) → オオバコの種
チンピ(陳皮) → みかんの皮
といった表記にしなければなりません。
尚、基源植物名と生薬名が同一である成分(原材料)
例えば、カンゾウ、ウコン、ケイヒ等については、基源植物名等を使用することをもって生薬名を使用したとはみなされないとされています。
尚、食品添加物として含有する場合にはこの限りではありません。食品表示法(下記、ポイント⑤参照)に則った表記としてください。
<ポイント②>海外の成分表示を鵜呑みにしない、原材料の安全性確保に努めること
海外の場合、そもそも日本とルールが異なりますので、食品に使用できる成分も違えば、キャリーオーバーの考え方も違う可能性があります。また、ロットが変わることで配合されている成分が異なったりと、悪く言えば販売者の意図しないところで、当初の想定と大きく異なる場合も考えられます。
また、錠剤やカプセル状といった形状のものについては原材料等の成分が濃縮されるという特性があるため、一定の安全性確保のために、適正な製造工程管理、原材料の安全性確保の面で事業者の自主的な取組みが望まれています。(国内で製造される製品と同等の品質の確保を図ることが望まれます。)
厚生労働省「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方について」及び「錠剤、カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン」について
表記と中身にズレが生じないように細心の注意を払いましょう。
<ポイント③>製品が医薬品的形状のものは医薬品とみなされ、不可とされてしまう場合がある
人がその商品を見た時に、医薬品としか思えないような形(医薬品的な形状)の場合には医薬品であると見なされ不可と判断される可能性があります。
例えば、
アンプル
…薬液や薬を溶かす液を入れる、密閉された容器です。
主にガラス製で、注射液用途に使用されます。
舌下錠
…舌の下等に入れて、口腔粘膜から薬剤を急速に吸収させ
薬効を発揮させるために用いる錠剤です。
狭心症の発作を抑える用途等特定疾患に用いられます。
といった形は医薬品的形状とみなされますので、注意が必要です。
<ポイント④>管轄の検疫所に食品等輸入届出書を提出し、合格判定を得て初めて輸入できる
食品衛生法に基づき、食品を日本国内に輸入する場合、管轄の検疫所に食品等輸入届出書を提出することが必要です。ここで合格判定を得て初めて輸入ができるという事になります。
通関届け出の際は、原材料・添加物等の種類・成分や製造・加工方法などの記載が必要です。
詳しくは厚生労働省「食品衛生法に基づく輸入手続」をご覧ください。
<ポイント⑤>輸入する健康食品の容器、包装、添付文書、広告物の内容に用法用量の指定や効能効果等を示す事はできない
※例え、製品の従来デザインであったとしても不可
食品である限り、薬機法の領域に足を踏み入れることはできません。いわゆる医薬品的効能効果を標ぼうすること、そして、用法用量の指定をすることそのものが不可という判断となります。明示/暗示含めて効能効果を標ぼうすることはできず、「食後に3粒」といったように用法用量の指定もできません。
輸入食品の場合に特に注意が必要なのは、輸入した商品のデザインをそのまま使用する等、現地の表記を残したままの場合です。
例え、日本で読み書きができる人が少ない言語だったとしても、日本語訳した結果、医薬品的効能効果や用法用量の指定等を意味しているのであれば不可となります。
外国語を残したデザインが魅力的だから…といった理由で現地の表記をそのままにしておくと、思いも寄らぬ落とし穴になることがあります。表記されている内容をしっかりと確認しましょう。
<ポイント⑥>食品表示法に則った表示を行う
2015年4月、食品衛生法、JAS法、健康増進法において食品表示に関係する部分が統合され、『食品表示法』が施行されました。
商品パッケージにおいて、原材料名、アレルギー物質の表示方法、栄養成分表示等の表示が義務化されています。
が出されていますので、ご参考にしてください。
…以上が6つのポイントです。
特に≪ポイント⑤≫においては東京都薬事監視課主催の勉強会においても繰り返し案内がされているところですので特に注意が必要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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