薬機法・景表法ニュース

健康食品から医薬品成分を検出 厚労省が無承認医薬品に注意喚起【2026年3月31日】

令和6年度「無承認無許可医薬品等買上調査」の結果を公表します

厚生労働省では、無承認無許可医薬品の流通経路を解明するとともに国内全体の流通実態の把握及び違反業者の指導・取締りを行うため、都道府県の協力の下、日本国内の店舗や運営者の所在地が日本国内にあるインターネットサイトで販売されているいわゆる健康食品等を対象とする調査を平成13年度から実施しており、今般、令和6年度の調査結果を別添のとおり取りまとめたのでお知らせします。
 なお、いわゆる健康食品等のうち医薬品成分が検出された製品は健康被害のおそれがあるため、これらの製品をお持ちの方は直ちに使用を中止いただくよう、また、健康被害が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診いただくようお願いします。
 また、今回、医薬品成分が検出された製品等を販売していたインターネットサイトは既に閉鎖されていることを確認しています。

参照元:厚生労働省(2026/3/31より)

厚生労働省は、「令和6年度 無承認無許可医薬品等買上調査」の結果を公表しました。

今回の調査では、国内の店舗や国内事業者が運営するインターネットサイトで販売されている健康食品141製品を対象に成分分析を実施したところ、1製品から医薬品成分「テトラカイン」が検出されました。

健康食品市場は年々拡大していますが、医薬品成分を含む無承認無許可医薬品が流通すると、消費者の健康を損なうおそれがあるだけでなく、販売事業者にも大きなリスクをもたらします。今回は、調査結果の概要と事業者が注意すべきポイントについて解説します。

調査結果の概要

厚生労働省は令和6年8月から10月にかけて、37府県の協力のもと、強壮系103製品、痩身系38製品の計141製品を買い上げ、医薬品成分の有無を調査しました。

その結果、

  • 強壮系健康食品1製品から医薬品成分「テトラカイン」を検出
  • 痩身系健康食品38製品からは医薬品成分は検出されなかった

ことが明らかになりました。

検出された製品は「男性用ティッシュ」で、神奈川県で買い上げられた製品から、1枚当たり9mgのテトラカインが検出されています。

今回の問題点

無承認無許可医薬品が健康食品として販売されていたこと

健康食品として販売されている製品であっても、医薬品成分を含有するなど、その成分や標ぼうする効能効果等によっては、薬機法上の「医薬品」に該当する場合があります。医薬品として承認・許可を受けずに販売された場合は、「無承認無許可医薬品」として薬機法上の問題となります。

今回検出されたテトラカインは、国内ではテトラカイン塩酸塩を含有する医薬品があり、麻酔に使用されています。ショックや意識障害、悪心、めまいなどの副作用が生じるおそれがあり、厚生労働省は、今回医薬品成分が検出された製品について、薬機法に基づき品質、有効性及び安全性が確認された製品ではないとして注意を呼び掛けています。

健康食品による健康被害は救済制度の対象外

厚生労働省は、承認された医薬品であれば副作用被害救済制度の対象となる一方で、健康食品による健康被害は救済制度の対象外であることにも注意を呼び掛けています。

つまり、健康食品だから安全とは限らず、万が一健康被害が発生しても医薬品副作用被害救済制度による救済の対象とはなりません。

事業者が注意すべきポイント

1.仕入先や製造元の管理を徹底する

健康食品を販売する事業者は、仕入先を十分に確認し、製造元の品質管理体制や安全性を把握することが重要です。成分表示と実際の内容が異なるケースもあるため、信頼できるルートから仕入れることが求められます。

2. 医薬品成分が含まれていないことを確認する

健康食品として販売されている製品であっても、医薬品成分が含まれている場合があります。公的な検査結果や成分分析書を確認するなど、安全性の確認を徹底することが重要です。

3.「健康食品だから安全」という認識を持たない

健康食品は医薬品とは異なり、有効性や安全性について国の承認を受けているものではありません。販売事業者は、消費者に誤解を与えるような説明を避け、商品の性質を正しく伝えることが必要です。

4.行政からの注意喚起や回収情報を定期的に確認する

厚生労働省や自治体では、違法な健康食品や回収対象商品の情報を随時公表しています。事業者は最新情報を継続的に確認し、問題のある商品を販売しない体制を整えることが重要です。

5.社内のコンプライアンス体制を整備する

商品の仕入れ担当者や販売担当者に対して薬機法や関連法令の教育を行い、違法な商品の販売を未然に防ぐ体制を構築することが求められます。特にECサイトでは、商品の掲載前に成分や表示内容を確認するチェック体制を設けることが望まれます。

まとめ

今回の調査では、141製品中1製品から医薬品成分が検出されました。割合としては多くありませんが、わずか1製品であっても健康被害につながる可能性があることから、厚生労働省は継続的な監視を行っています。

健康食品を取り扱う事業者は、「健康食品だから問題ない」と考えるのではなく、仕入先の確認、成分管理、法令遵守、情報収集を徹底することが重要です。消費者の安全を守ることが、企業の信頼維持やブランド価値の向上にもつながるでしょう。

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