薬機法・景表法ニュース

シミが消えるクリームで業務停止命令――誇大広告と定期購入表示が問題に【2025年11月6日】

「7日でシミが完全消滅」の美容クリーム、根拠なし…消費者庁が「BIZM」に一部業務停止命令

消費者庁は6日、美容品販売会社「BIZM」(東京)に特定商取引法違反(誇大広告など)で6か月の一部業務停止命令を出したと発表した。同社代表にも6か月の一部業務禁止を命じた。命令は5日付。

 発表によると、同社は今年2~4月に美容クリーム「スキンヴィーナスプレミアムリペアクリーム」を販売した際、「誰でも確実に7日でシミが完全消滅」などと宣伝していたが、効果を裏付ける根拠はなかった。また、「1回限り・解約不要」などという宣伝についても、実際は定期購入契約で、解約する場合はキャンセル料が必要だった

 同社が昨年11月に設立されて以降、契約に関する相談などが全国から4536件寄せられていたという。

参照元:読売新聞オンライン(2025年11月6日より)

2025年11月6日、消費者庁は美容品販売会社「BIZM」に対し、特定商取引法違反(誇大広告など)を理由として6か月間の一部業務停止命令を出したと発表しました。

問題となったのは、美容クリームの販売において「誰でも確実に7日でシミが完全消滅」といった根拠のない効果をうたっていたことに加え、「1回限り・解約不要」と表示しながら実際は定期購入契約だった点です。

美容関連商品の広告では、効果の言い過ぎや定期購入の表示方法が行政処分につながるケースが後を絶ちません。今回の事例から、事業者が注意すべきポイントを解説します。

今回のニュースの問題点

1. 「誰でも確実」「完全消滅」という断定的な効果表現

今回問題となったのは、「誰でも確実に7日でシミが完全消滅」という広告表現です。

化粧品は薬機法上、人体に対する作用が穏やかなものとして位置付けられており、シミを完全に消すといった医薬品レベルの効果を標ぼうすることは認められていません。

また、「誰でも」「確実に」「完全に」といった表現は、個人差の存在を否定する絶対的な表現です。仮に一定の使用者に良好な結果が見られたとしても、全ての人に同じ結果が得られることを保証できない以上、このような断定表現は極めて高いリスクを伴います。

特に美容分野では、

  • 絶対に治る
  • 誰でも若返る
  • 完全になくなる

といった表現は、行政処分の対象となる典型例といえるでしょう。

2. 「1回限り」と表示しながら実際は定期購入だった

もう一つの問題は、販売条件に関する表示です。

同社は「1回限り・解約不要」と表示していましたが、実際には定期購入契約であり、途中解約にはキャンセル料が発生していました。
これは近年、消費者庁が特に厳しく取り締まっている「定期購入トラブル」の典型例といえます。

消費者が広告を見た際に『一度だけ試せる商品だと思った』にもかかわらず、『実際には継続購入が前提だった』という状況は、消費者の自主的かつ合理的な選択を妨げる可能性があります。

特定商取引法では、契約条件や支払総額、解約条件などの重要事項を分かりやすく表示することが求められています。

事業者が注意すべきポイント

1. 効果表現はエビデンスだけでなく制度上の上限も確認する

事業者の中には、「エビデンスがあれば表現できる」と考えるケースがあります。しかし、化粧品では、そもそも薬機法上認められていない効能効果があります。

例えば、

  • シミを消す
  • 病気を改善する
  • 治療する
  • 若返らせる

といった表現は、根拠の有無以前に薬機法上の問題が生じる可能性があります。

広告制作時には、エビデンスの確認だけでなく、その表現が薬機法上許容される範囲かどうかも検討する必要があります。

2.「誰でも」「確実に」などの断定表現は避ける

消費者庁が問題視するケースの多くで共通しているのが、過度な断定表現です。

特に、

  • 誰でも
  • 必ず
  • 絶対に
  • 完全に
  • 100%

といった表現は非常に高いリスクを伴います。

広告では魅力的な訴求をしたくなりますが、個人差があることを踏まえた表現設計が求められます。

3. 定期購入の条件は一目で分かるように表示する

近年の行政処分では、定期購入の表示に関するものが数多く見られます。

特に、

  • 定期購入であること
  • 支払総額
  • 解約条件
  • 解約期限
  • キャンセル料

などは、消費者が契約前に容易に認識できる形で表示しなければなりません
小さな文字や分かりにくい場所への記載だけでは、不十分と判断される可能性があります。

まとめ

今回のBIZMに対する業務停止命令は、「過剰な効果訴求」と「定期購入条件の不適切な表示」という、近年の行政処分で頻繁に見られる2つの問題が重なった事例といえます。

特に美容関連事業者は、

  • 効果を言い過ぎていないか
  • 根拠を超えた表現になっていないか
  • 契約条件が分かりやすく表示されているか

を改めて確認する必要があります。

広告の反応率だけを追求した結果、行政処分やブランド毀損につながれば、その代償は決して小さくありません。今回の事例は、広告表現と販売条件の双方について、消費者目線で見直すことの重要性を示した事例といえるでしょう。

このニュースから学んでおきたい知識

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