クラス分類と医薬品等適正広告基準での注意点
医療機器は各々の持つリスクに応じてクラス1から4まで分類され、製造や販売等においては、
リスクに応じた規制があります。
【クラス分類】
不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるもの
不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの
不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの
患者への侵襲度が高く、不具合が生じた場合、生命の危険に直結するおそれがあるもの
【医療機器販売業、賃貸業での規制】
●高度管理医療機器(クラス3、4)を販売、賃貸しようとする場合は、営業所ごとに許可を受ける
必要があります。
●管理医療機器(クラス2)を販売、賃貸しようとする場合は、営業所ごとに届出を行う必要が
あります(一部例外あり。)
●一般医療機器(クラス1)を扱う場合は、許可、届出の手続は不要です。
ただし、下記の「特定保守管理医療機器」の指定を受けた管理医療機器、一般医療機器の販売、
賃貸にあたって許可が必要となります。
【特定保守管理医療機器の指定】
医療機器(高度管理、管理、一般)のうち、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を
必要とすることからその適正な管理が行わなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与える
おそれがあるものとして、厚生労働大臣が指定するもの
医薬部外品、化粧品及び医療機器の名称についての表現の範囲
医薬部外品、化粧品及び医療機器について、承認又は法第1 2条の規定に基づく許可、法第1 3条の2の
規定に基づく認定若しくは法第2 3条の2の規定に基づく認証を受けた販売名又は一般的名称以外の
名称を使用しないものとする。
1品目として承認または許可を受けた医療機器の名称について
医療機器にあって、形状、構造または寸法の異なるものについて1品目として承認または許可を
受けたものの名称については、承認書または日本工業規格(JIS)にきさいされた個々の形式名または
種類名を名称として使用することは差支えないものとする。
医薬品等の製造方法について実際の製造方法と異なる表現又はその優秀性について事実に反する認識を 得させるおそれのある表現をしないものとする。 |
(1) 製造方法等の優秀性について
本項は、医薬品等の製造方法について広告する場合の表現の範囲を示したものである。
優秀性についての運用は、医薬品等の製造方法について「最高の技術」「最も進歩した製造方法」等
最大級の表現又は「近代科学の粋を集めた製造方法」「理想的な製造方法」
「家伝の秘法により作られた…」等最大級の表現に類する表現は、その優秀性について事実に反する
認識を得させるおそれがあるので認められない。
なお、製造部門、品質管理部門、研究部門等を広告の題材として使用することは、事実であり、
製造方法等の優秀性について誤認を与えない場合に限り差し支えない。
(2) 特許について
特許に関する虚偽の広告を行った場合は、本項に抵触する。
なお、事実の広告の場合は、基準1 0により取り扱う。
(3) 研究について
各製造・輸入業者にとって「研究」していることは当然のことであるが、その製品にかかわる研究内容を
述べる場合は、事実を正確に強調せずに表現すること。
【承認を要する医薬品等についての効能効果等の表現の範囲】 承認を要する医薬品等の効能効果又は性能(以下「効能効果等」という。)についての表現は、承認を 受けた効能効果等の範囲を超えないものとする。 また、承認を受けた効能効果等の一部のみを特に強調し、特定疾病に専門に用いられるもので あるかのごとき誤認を与える表現はしないものとする。 |
承認を要する医薬品等の効能効果等について
承認を要する医薬品等については、明示的又は暗示的を問わず承認を受けた効能効果等の範囲を
逸脱してはならない。また、その表現が同義語と解される場合を除き原則として読み換えは
しないこと。
承認された効能効果等以外の効能効果等について
医薬品等が承認されている効能効果等以外の効能効果等を実際に有しており、追加申請すれば
その効能効果等が実際に承認されうる場合においても、その未承認の効能効果等を広告して
はならない。
【承認を要しない医療機器についての効能効果等の表現の範囲】 承認を要しない医薬品及び医療機器の効能効果等の表現は、医学薬学上認められている範囲を 超えないものとする。 |
「医学薬学上認められている範囲内」の判断について
効能効果等の表現が「医学薬学上認められている範囲内」であるか否かの判断は、内外の文献及び専門家の意見等を参考にされたい。
医療機器の原材料、形状、構造及び寸法について虚偽の表現、不正確な表現等を用い効能効果等又は
安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしないものとする。
医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、 それが確実であることを保証をするような表現をしないものとする。 |
安全性の表現について
家庭用電気治療器等に「安全です、安心してお使いください。」、「安全性が高い」等と漠然と
記載したものは、本項に抵触するおそれがあるので注意すること。
効能効果の発現程度についての表現の範囲
医薬品等の速効性、持続性等についての表現は、医学薬学上認められている範囲を
超えないものとする。
本来の効能効果等と認められない表現の禁止
医薬品等の効能効果等について本来の効能効果等と認められない効能効果等を表現することにより、
その効能効果等を誤認させるおそれのある広告は行わないものとする。
(1) 医師若しくは歯科医師が自ら使用し、又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって 使用することを目的として供給される医薬品については、医薬関係者以外の一般人を 対象とする広告は行わないものとする。 (2) 医師、歯科医師、はり師等医療関係者が自ら使用することを目的として供給される |
医薬関係者以外の一般人を対象とする広告について
「医薬関係者以外の一般人を対象とする広告」とは、医事又は薬事に関する記事を掲載する医薬関係者
向けの新聞又は雑誌による場合、その他主として医薬関係者を対象として行う場合、MRによる説明、
ダイレクトメール、若しくは文献及び説明書等の印刷物( カレンダー、ポスター等医薬関係者以外の
者の目につくおそれの多いものを除く。)による場合又は主として医薬関係者が参集する学会、
後援会、説明会等による場合以外の広告をいう。
(1) 医家向け医療機器について
本項(2)に該当する医療機器としては、原理及び構造が家庭用電気治療器に類似する
理学診療用器具等がある。
(2) 一般人が使用するおそれのないものについて
本項(2)に該当する「一般人が使用するおそれのないもの」とは、薬事法施行規則
( 昭和35年厚生省令第1 号)第93条第1項の規定に基づく設置管理医療機器及び特定の資格者
(例えば、医師、歯科医師、診療放射線技師等)しか扱うことができない医療機器である。
医師又は歯科医師の診断又は治療によらなければ一般的に治癒が期待できない疾患について、 医師又は歯科医師の診断又は治療によることなく治癒できるかの表現は、医薬関係者以外の 一般人を対象とする広告に使用しないものとする。 |
(1) 医師等の治療によらなければ治癒等が期待できない疾患について
医師又は歯科医師の診断又は治療によらなければ一般的に治癒が期待できない疾患とは、「胃潰瘍」
「十二指腸潰瘍」「糖尿病」「高血圧」「低血圧」「心臓病」「肝炎」「白内障」「性病」等一般大衆が自己の
判断で使用した場合、保健衛生上重大な結果を招くおそれのある疾病をいうものであること。
(2) 上記疾病名の記載について
これらの疾病名を記載するだけであっても自己治癒を期待させるおそれがあるので、上記の疾病は
広告に使用しないよう注意すること。
医薬品等の品質、効能効果等、安全性その他について、他社の製品をひぼうするような広告は 行わないものとする。 |
(1) ひぼう広告について
本項に抵触する表現例としては、次のようなものがある。
ア 他社の製品の品質等について実際のものより悪く表現する場合
例: 「他社の口紅は流行おくれのものばかりである。」
イ 他社のものの内容について事実を表現した場合
例: 「どこでもまだ××式製造方法です。」
(2) 漠然と比較する場合について
漠然と比較する場合であっても、基準3(6)に抵触するおそれもあるので注意すること。
(3) 自社製品の比較広告について
製品の比較広告を行う場合、その対象製品は自社製品の範囲で行い、その対象製品の名称を明示した場合に限る。しかし、この場合でも説明不足にならないよう十分に注意すること。
医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の 影響を与える公務所、学校又は団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の 広告は行わないものとする。 ただし、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を 広告することが必要な場合等特別の場合はこの限りでない。 |
(1) 医薬関係者の推せんについて
本項は、医薬品等の推せん広告等は、一般消費者の医薬品等についての認識に与える影響が大
であることにかんがみ一定の場合を除き、例え、事実であったとしても不適当とする趣旨である。
「公認」には、法による承認及び許可も含まれるものである。
また、「特別の場合」とは、市町村がそ族昆虫駆除事業を行うに際して特定の殺虫剤等の使用を住民に
推せんする場合である。
なお、本項は、美容師等が店頭販売において化粧品の使用方法の実演を行う場合等を禁止する
趣旨ではない。
(2) 推せん等の行為が事実でない場合について
推せん等の行為が事実でない場合は、法第66条第2項に抵触する。
(3) 特許について
「特許」の関する表現は、事実であっても本項に抵触し、事実でない場合は虚偽広告として取り扱う。
なお、特許に関する権利の侵害防止等特殊の目的で行う広告は、医薬品の広告と明確に分離して
行うこと。
(特許に関しては表示と取扱いの相違に注意:
「特許について」(昭和39年10月30日薬監第309号厚生省薬務局監視指導課長通知) )
(4) 「公務所、学校、団体」の範囲について
「公務所、学校、団体」の範囲は、厳格な意味の医薬関係に限定されない。
例:特許 特許庁
○○小学校選用品(肝油製剤にある。)
(5) 厚生労働省認可(許可)等の表現について
厚生労働省認可(許可)、経済産業省認可(許可)等の表現も本項に抵触する。
医療機器について美容器具的若しくは健康器具的用法を強調することによって消費者の安易な 使用を助長するような広告は行わないものとする。 |
(1) 医療機器の健康器具的用法の表現について
「健康器具的用法」とは、バイブレーター又は家庭用電気治療器を運動不足解消のために用いる
用法等をいう。
(2) 医療機器の美容器具的方法の表現について
「美容器具的用法」とは、バイブレーター等を痩身目的に用いたりする用法等をいう。
※医薬品等適性広告基準抜粋