化粧品・コスメの広告における薬事法について(2)

化粧品のヘアケア製品で表現できること、できないこと

女性だけでなく男性にとっても関心の高い髪の毛。
髪の毛や頭皮をケアするいわゆるヘアケア剤はシャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング剤、育毛剤、ヘアカラーと多様な商品が市場に出回っています。
薬事法上の分類としては、化粧品や薬用化粧品を含む医薬部外品が混在しますが、今回は化粧品に分類される商品の表現について取り上げます。
まずはじめに、化粧品に分類されるシャンプーやコンディショナー、その他ヘアケア剤において、標ぼう可能な効能効果をおさらいしてみましょう。
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(1)頭皮、毛髪を清浄にする。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4)毛髪にはり、こしを与える。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7)毛髪をしなやかにする。
(8)クシどおりをよくする。
(9)毛髪のつやを保つ。
(10)毛髪につやを与える。
(11)フケ、カユミがとれる。
(12)フケ、カユミを抑える。
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15)髪型を整え、保持する。
(16)毛髪の帯電を防止する。
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上記に加え、素肌のメーキャップ効果同様、ワックスのような髪を固める作用やヘアマニキュアのように髪表面を着色するような、物理的な作用も標ぼう可能となります。

上記の標ぼう可能な効能効果に
「(4)毛髪にはり、こしを与える。」という表現があります。
スキンケアの場合は「【肌】にはりを与える」という効果が標ぼう可能ですが、ヘアケア製品においては「【毛髪】にはりを与える」までが標ぼう範囲となります。
故に「【頭皮】にはりを与える」ことに関しては想定されておらず、頭皮に対してのはりを標ぼうすることは効能効果を逸脱した表現とみなされますので注意が必要です。

また「抜け毛の予防」「頭皮の血行促進」は、その効果効能に対し、承認を受けた医薬部外品や医薬品であれば標ぼう可能ですが、一般的な化粧品では標ぼうできません。

許可を得ていない場合で、「血行促進」ということを表現する必要がある場合には、自身による洗髪行為の一環として、『頭皮を(自身で)良くマッサージすることにより、 血行を促進してあげましょう。』というように、商品や含有成分により血行促進が促されるものではないとはっきりとわかる形にする必要があるものと思われます。
その基本をしっかりと押さえておけば、延長として頭皮マッサージの方法等を図説で入れ、「血行促進」の言葉を視覚的に印象づけることも可能でしょう。
次に、ダメージヘアのケアに関す表現についてです。
ヘアケア製品で「ダメージを補修」という表現が見られます。
事実であれば毛髪損傷等の物理的な「補修」表現は標ぼう可能ですが、「修復」のような治療的回復表現は不可とされています。
似たような表現なので、注意しましょう。
<不適切例>
 × 傷んだ髪を修復
 × ダメージヘアを再生
 × 傷んだ髪が回復
 × 健康な髪が甦る
 × 本質から髪質改善
<表現可能な例>
 ○ 傷んだ髪に
 ○ 傷んだ髪用 (「痛んだ髪専用」は×)
 ○ ダメージケア(潤い補給) ・・・○
 ○ 髪を補復して髪の質感を整える
またダメージヘアの補修表現において、「髪の内部に美容成分が浸透」という表現もよく見られます。
肌の場合、浸透は「角質層まで」という範囲が決められていますが、毛髪の浸透表現については、日本化粧品工業連合会発行の『化粧品等の適正広告ガイドライン2012年版』の中に、「髪の内部へ浸透」という表現は可能とされています。
そのため、事実として髪の内部に浸透するのであれば、表現可能なものとして判断できるものと思います。
最後は美容師の方の推薦表現についてです。
ヘアケアという製品の特性上、美容師の方が推薦するケースが多く見られますが、医薬品等適正広告基準では、医師や美容師等による推奨表現は不可とされています。
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【基準10】 医薬関係者等の推せん

医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告は行わないものとする。
ただし、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を広告することが必要な場合等特別の場合はこの限りでない。
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薬事上のルールが指すこの「医薬関係者」とは医歯薬美容関係の日本の国家資格保持者および、同等の資格を持つ専門家がひとつの目安となり、医師、歯科医師、美容師、理容師、鍼灸師…等(教授も含む)が該当します。
国家資格保持者となる美容師や理容師が推薦することにより、効能効果や安全性の保証と捉えられるため、化粧品の広告で美容師が「おすすめです!」のような
推薦は不可という判断になります。
補足となりますが、開発者として美容師の方が関わっている場合、東京都の見解では事実に留まるものであれば、安全性や効能効果の保証とはしないと言われています。
ただし、キャッチコピーのように、目立たせたり、強調したりするのは不可となりますので、「美容師と共同開発」という事実を伝えるに留まるよう、ご留意ください。
 
 
 
 
 

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