薬機法広告ラボ

【そのまま使える表現付き!】香水の広告における薬機法ルールを解説

香水の魅力を最大限に伝えたい!そう考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、魅力的な表現を使用する際には、法律に抵触してしまうリスクがあることも忘れてはなりません。

本記事では、香水広告でよく使われる表現について、薬機法に準拠した言い換え方法を解説します。また、万が一法律に違反してしまった場合の罰則などについても詳しくご紹介します。

【トライアル可!】法令を遵守した訴求力の高い広告を作成する >

薬機法とは

薬機法は、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。この法律は、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器など、私たちの生活に身近な製品の品質、有効性、安全性を確保するための規制を定めています。

また、誇大広告や虚偽広告を防ぐための具体的なガイドラインも設けられており、広告を作成する企業や個人はこれらの規制を遵守する必要があります。

薬機法の目的

薬機法の主な目的は、消費者の安全を守り、医薬品や化粧品の品質と有効性を保証することです。具体的には、以下の3つのポイントに重点を置いています。

  • 品質の確保:製品の品質基準を設定し、消費者が安心して使用できる製品を提供します。これにより、製品の不純物や不良品混入のリスクを軽減します。
  • 有効性の確保:製品が表示された効果を実際に発揮することを確認します。これにより、消費者が期待する効果を得られることが保証されます。
  • 安全性の確保:製品使用時に健康被害が起こらないようにします。副作用やアレルギー反応などのリスクを最小限に抑える基準が設けられています。

薬機法規制の対象となるもの

薬機法が規制する対象には、以下の製品が含まれます。

  • 医薬品:病気の治療や予防を目的とする製品。これには処方薬と市販薬の両方が含まれます。
  • 医薬部外品:予防や衛生を目的とする製品。育毛剤や薬用化粧品などが該当します。
  • 化粧品:皮膚や髪を清潔にし、美しく保つための製品。スキンケアやメイクアップ製品が含まれます。

薬機法はこれらの製品に関する広告にも適用され、誤解を招く表示や過大な効果を謳うことを禁止しています。この規制によって、消費者の安全が確保され、信頼できる製品を選べる環境が整備されています。

香水は薬機法の広告規制の対象となる

香水は、私たちの気分を華やかにしたり、自信を高めたりする効果があるため、魅力的な言葉で表現したいところです。しかし、薬機法の規制を受ける対象となるため、広告などの表現には注意が必要です。

本章では、香水が薬機法の広告規制の対象となる理由や具体的な規制内容について解説します。

香水は化粧品に該当する

薬機法では化粧品の定義を以下としています。

「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。

香水は、「(皮膚に塗布し)魅力を増す」という目的に該当し、多くの香水は化粧品として分類されます。そのため、広告表現においても、薬機法の規制対象となり、法令を遵守した広告作成が求められます。

化粧品における薬機法のルール

化粧品の広告においては、以下のような薬機法のルールがあります。

  • 効能効果の表現制限
    薬機法では、化粧品に関する広告で治療や予防を謳うことは禁止されています。香水に関しても、リラックス効果や抗菌効果など、56の化粧品効能から逸脱する効果は標榜できません。香りについては、「芳香を与える」という効果が認められています。
  • 誇大広告の禁止
    消費者に誤認を与えるような誇大な表現や、不適切な比較広告を使用することは法律違反となります。香水の広告においても、他製品と比較して過度に優れていると主張する表現は控える必要があります。

参考元:【日本化粧品工業会】化粧品等の適正広告ガイドライン

【そのまま使用OK!】香水の広告に使える表現一覧

56の化粧品効能で標榜可能とされている「芳香を与える」について、どのような表現だったらOKなのか。

以下で、実際に広告で使用できる香りの表現をご紹介します。

No広告表現訴求したい効果
1華やかな香りをまとう「芳香を与える」の範囲内のためOKです。
2ほのかな香りで穏やかなひとときを「環境や時間に合う」という使い方はOKです。
3リラックスタイムを演出する香り「環境や時間に合う」という使い方はOKです。
4癒し時間のお供に「環境や時間に合う」という使い方はOKです。
5ビジネスシーンにぴったりの清潔感のある香り「環境や時間に合う」という使い方はOKです。
6ふわっと香る、心地よい香り香りの説明のためOKです。

ここでは一般的な広告表現について紹介させていただきました。

薬事法広告研究所の薬事コンサルティングサービスでは、その香水ならではの強みを活かした広告表現を提案させていただきますので、もし自社商品の強みを活かした表現を作りたいという方は、まずはお悩みだけでもお聞かせください。

弊社のサービスを試してみたいというお声も多くいただいており、トライアルプランも新しくできましたので、一度詳細をご覧になってみてください。

【リピーター多数!】広告表現に関する悩みを解決する >

よくあるNG表現

次に、NG表現について、解説とリライト案をあわせてご紹介します。

香りにより、気分や身体に効果が出てしまうと化粧品効能の逸脱となり、記載ができなくなってしまいます。

「どのような場面で使いたいか」や「どのような環境で使いたいか」を表記することによって、消費者が使用場面を想像しやすくなり、一層魅力が伝わりやすくなります。

NoNG表現OK表現解説
1気分を高揚させる香り前向きになりたいときに使いたい、スパイシーな香り香りによる精神作用は、化粧品効能の逸脱となります。
2香りで疲れた心を癒す一日の終わりに穏やかな香りを疲労回復や精神作用は、化粧品効能の逸脱となります。
3気持ちのバランスを整える香りオン・オフを切り替えたいときに精神作用は、化粧品効能の逸脱となります。
4〇時間香り続ける甘い香りが長時間続く持続性の保証として、薬機法に抵触します。
5眠りに誘う香り寝室にぴったりの香り機能改善や精神作用は、化粧品効能の逸脱となります。

薬機法に違反してしまった場合の罰則

広告が薬機法に抵触してしまった場合には、様々な罰則が科される可能性があります。薬機法の罰則対象者は「何人も」であり、違反の内容によって科される罰則や必要な対応も変わります。

具体的にどのような罰則があるかを理解し、万が一の場合にも備えましょう。

行政指導

行政指導とは、薬機法に違反するおそれがある行為を行っている事業者に対して、行政機関(厚生労働省や地方自治体など)が、法律や規制に沿った行動をとるように指導することです。

具体的な指導内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 是正勧告: 違法な行為の中止や改善を求める
  • 報告徴求: 違反行為の詳細や改善状況について報告を求める
  • 意見聴取: 違反行為の原因や今後の対策について意見を聴取する

行政指導は、法的強制力はありませんが、無視するとより厳しい処分につながる可能性があります。そのため、事業者は行政指導の内容を真摯に受け止め、指示された内容に従う必要があります。

措置命令

措置命令は、行政指導に従わず、引き続き法違反状態が続いている場合に、行政機関が事業者に発する命令です。行政指導よりも法的拘束力が強く、事業者は命令に従う義務があります。

措置命令の内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 違法な広告の停止
  • 製品の回収
  • 改善計画の提出

措置命令に従わない場合、事業者は罰則を受ける可能性があります。

課徴金納付命令

課徴金納付命令は、薬機法違反が特に悪質と認められた場合に、事業者に科される行政処分です。課徴金とは、国や地方公共団体が、法律や条例に違反した者に科す金銭的な罰金のようなものです。

課徴金が科されるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 故意に法違反を行った場合
  • 繰り返し法違反を行った場合
  • 消費者に多大な被害を与えた場合

課徴金の金額は、違反の態様や規模によって異なりますが、高額になることもあります。

薬機法に違反しないための対策

薬機法に違反しないための対策を講じることは、企業の信頼性を保ち、消費者に安全で信頼できる製品を提供するうえで欠かせません。違反が発覚すると、罰則を受けるだけでなく、企業の評判に重大なダメージを与える可能性があります。

そのため、広告の作成や製品の表示において、薬機法を遵守するための具体的な対策を実施することが求められます。これには以下のような取り組みが含まれます。

  • 薬機法に関する社内研修を実施する
  • 広告作成は2人体制で行う
  • 広告チェックサービスを活用する

これらの対策を講じることで、企業は法的リスクを低減し、信頼性の高い製品と広告を提供する体制を構築できます。ここでは、これらの対策の具体的なメリットについて詳しく解説していきます。

薬機法に関する社内研修を実施する

薬機法は頻繁に改正されるため、常に最新の知識を保持しておくことが重要です。社内研修では、以下の内容を盛り込み、薬機法への理解を深めることを推奨いたします。

  • 薬機法の基礎知識:薬機法の目的、対象となる製品、主な規制内容など
  • 広告規制:虚偽・誇大広告、比較広告、表示義務など
  • 製造・販売規制:品質管理、表示、記録保管など
  • 違反事例と罰則:過去の違反事例から学ぶ
  • Q&Aセッション:従業員の疑問解消

広告作成は2人体制で行う

広告作成は、薬機法違反のリスクが高い業務の一つです。2人体制で作成することで、以下のメリットが期待できます。

  • 客観的な視点: 異なる視点から広告内容を評価できる
  • 誤りの発見: 一人のチェックでは見落としてしまう誤りを発見できる
  • 責任の共有: 責任を分担することで、リスクを軽減できる

広告チェックサービスを活用する

専門の広告チェックサービスを利用することで、より客観的に広告内容を評価することができます。広告チェックサービスでは、以下のサービスが期待できます。

  • 法令遵守チェック:薬機法をはじめとする関連法規への適合性をチェック
  • 表現の適正性チェック:誇大表現、比較広告、景品表示法違反などのチェック
  • 消費者への影響評価:消費者への誤解を与える可能性のある表現のチェック

まとめ

本記事では、薬機法の基礎的な仕組みから、香水に関連する具体的な規制内容、正しい広告表現例とNG例、そして違反時の罰則や防止策までを解説しました。

薬機法は、消費者を守るための法律です。これを順守することで、商品の品質基準を高め、企業としての社会的責任を果たすことができます。薬機法を活用することで、法律を守りながらも商品の魅力を効果的に伝えることが可能です。

薬機法を正しく理解し、ルールを遵守しながら魅力的な広告の作成を心がけましょう。

この記事から学んでおきたい関連知識

広告表現でお困りの方へ

「広告審査が通らない」「制作前に文言チェックをしておきたい」「この表現が使えるか相談したい」など、お困りのことがありましたらお気軽にお問い合せください。簡単な薬機チェックから、本格的なサービス構築まで幅広く対応致します。
サービスのお試しプランもご用意しておりますので、まずは弊社のサービスについてご一読ください。

まずはお試しから
オンライン相談可 最適プランご案内 初回無料相談 オンライン相談可 最適プランご案内 初回無料相談