Vol.253 実践薬事マーケティング

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Vol.253 実践薬事マーケティング

 化粧品で「ニキビ」の標ぼうはOK?!

~大人ニキビ、ニキビ痕など気になる表現を一気に整理!~
 
 
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▽▲6月は肌トラブルが急増!皮脂の増加や大人ニキビも▽▲
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関東地方は早くも梅雨入り。

朝から雨・・・というだけで
なんとなくおっくうな気持ちになりますが、
女性にとっては紫外線ダメージや皮脂量の増加といった
肌トラブルが増える時期でもあります。

また体調もゆらぎがちになることから
ニキビや吹き出物が増えることも!
若い頃とは違い、大人ニキビは一度できると痕になりやすく
見た目印象を大きく左右することから、
とくに30代の女性の間でニーズが高まっているといわれています。

そこで今回のテーマは「化粧品におけるニキビ」の標ぼうについて。
ニキビの場合、表現が過剰になると『医薬品的な効能効果の暗示』
として即不可となってしまうので要注意!

広告表現をしっかり整理する前に、
まずはニキビに関する意識調査からチェック!
最近とくに関心が高まっている体ニキビへの質問を中心に
アイシェアが纏めています。

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▽▲約40%の人がニキビケアに迷っている?!▽▲
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 ■出典
  アイシェア
  『体ニキビに関する意識調査』より一部抜粋

 ■調査対象者
  高校生以上の20代~40代の男女1081人
(男女比:男性 48.1% 女性:51.9%)
 (年齢構成:20代 30.8% 30代:69.2%)
┌───────────────────────────────
│Q1、異性のニキビが可愛いと思える年齢はいくつまでですか?
│   <単一回答>
│ 
│ ◎いくつでも可愛くない       ・・・41.3%
│ ◎10代前半まで           ・・・8.5%
│ ◎10代後半まで       ・・・25.5%
│ ◎20代前半まで     ・・・13.8%
│ ◎20代後半まで  ・・・4.2%
│ ◎30代まで     ・・・1.8%
│ ◎40代以降でも可愛い ・・・5.0%
└───────────────────────────────

若い頃のニキビは青春のシンボル!といわれていた時代も今や昔・・・。
結果を見ると34%の人が「10代までは可愛い」と回答していますが、
「いくつでも可愛くない」という人がなんと約42%!!

このアンケートからみると、ニキビを見た目印象のマイナス要素と
考える人が多いということが伺えます。

続いては「どの程度ニキビがあったら気になるか」、そして
「ニキビがあった場合はケアして欲しいか」についてのクエスチョン。
「恋人」の場合と「異性の友人・知人」の場合で意識に違いがあるのか?
Q2からQ5まで一気にみていきましょう。

┌───────────────────────────────
│Q2、恋人の体(背中、胸元など)に、どの程度ニキビがあったら
│   目がいきますか?<単一回答>
│ 
│ ◎会話をする距離でわかる程度     ・・・44.4%
│ ◎少し離れていてもわかる程度     ・・・17.5%
│ ◎目の前まで近づくとわかる程度    ・・・14.8%
│ ◎遠くからでもわかる程度     ・・・4.9%
│ ◎ニキビがあっても目がいかない    ・・・18.4%
└───────────────────────────────
┌───────────────────────────────
│Q3、異性の友人・知人の体(背中、胸元など)に、どの程度
│   ニキビがあったら目がいきますか?<単一回答>
│ 
│ ◎会話をする距離でわかる程度     ・・・47.5%
│ ◎少し離れていてもわかる程度     ・・・15.4%
│ ◎目の前まで近づくとわかる程度    ・・・13.2%
│ ◎遠くからでもわかる程度     ・・・4.3%
│ ◎ニキビがあっても目がいかない    ・・・19.7%
└───────────────────────────────
┌───────────────────────────────
│Q4、【Q2で恋人の体に体ニキビに目がいく方 限定】恋人の体に
│   ニキビがあったらケアをして欲しいと思いますか?<単一回答>
│ 
│ ◎とてもして欲しい     ・・・26.4%
│ ◎どちらかというとして欲しい     ・・・58.3%
│ ◎目の前まで近づくとわかる程度    ・・・15.3%
└───────────────────────────────
┌───────────────────────────────
│Q5、【Q3で異性の友人・知人の体に体ニキビに目がいく方 限定】
│   友人・知人にニキビがあったらケアをして欲しいと思いますか?
│    <単一回答>
│ 
│ ◎とてもして欲しい     ・・・15.2%
│ ◎どちらかというとして欲しい     ・・・63.4%
│ ◎目の前まで近づくとわかる程度    ・・・21.4%
└───────────────────────────────

「どの程度ニキビがあったら気になるか?」という問いについて
恋人、異性の友人・知人ともに圧倒的に多かったのが
「会話をする距離でもわかる程度」。

さらに意外だったのが、身近であるはずの「恋人」よりも
「異性の友人や知人」のニキビの方が気になる・・・という人が
多いという事実!
とくに女性は恋人と会うときこそ気合を入れて!と思いがちですが、
ビジネスで人と会うときなども「見られている」ことを
意識した方がよいでしょう。

Q6からは具体的な「ニキビケア」について。

6月から夏にかけて、ニキビトラブルは多くなるといわれますが、
何か対策をとっているのでしょうか?

┌───────────────────────────────
│Q6、夏は他の季節に比べてニキビができないように気をつけて
│   いますか?<単一回答>
│  
│ ◎気をつけている           ・・・5.2%
│ ◎どちらかというと気をつけている    ・・・23.9%
│ ◎季節を問わず気をつけている      ・・・26.6%
│ ◎季節を問わず気をつけていない     ・・・44.3%
└───────────────────────────────

「気をつけている」「どちらかというと気をつけている」と
回答した方が約30%!

「季節を問わず気をつけている」という人と合わせると約57%と高く、
多くの方が何かしらの対策をとっていることがわかります。

最後は「現在、体ニキビがあるか?」という質問から「具体的な対策」
「効果」などについての質問。
Q7からQ11までまとめてご紹介いたします。

┌───────────────────────────────
│Q7、現在、体にニキビはありますか?<単一回答>
│  
│ ◎ある               ・・・34.8%
│ ◎ない                ・・・65.2%
└───────────────────────────────
┌───────────────────────────────
│Q8、【Q7で体にニキビがある方 限定】
│  体のニキビは気にしていますか?<単一回答>

│ ◎とても気にしている         ・・・29.3%
│ ◎少し気にしている           ・・・51.6%
│ ◎ない                ・・・19.1%
└───────────────────────────────
┌───────────────────────────────
│Q9、【Q8で体のニキビを気にしている方 限定】
│  現在、体のニキビケアを行っていますか?<単一回答>

│ ◎行っている             ・・・43.8%
│ ◎行っていない             ・・・56.3%
└───────────────────────────────
┌───────────────────────────────
│Q10、【Q9で体のニキビケアを行っている方 限定】
│  現在行っている体のニキビケアは効果がありそうですか?
│   <単一回答>

│ ◎効果があると実感した         ・・・17.3%
│ ◎効果がありそう             ・・・24.1%
│ ◎効果はまだわからない         ・・・46.6%
│ ◎効果が期待できそう           ・・・12.0%
└───────────────────────────────
┌───────────────────────────────
│Q11、【Q9で体のニキビケアを行っていない方 限定】
│  体のニキビケアを行っていない最も大きな理由は何ですか?
│   <単一回答>

│ ◎どんなケアをしたらいいかわからないから  ・・・32.7%
│ ◎ケアするほどは気にしていないから     ・・・21.6%
│ ◎面倒くさいから             ・・・18.1%
│ ◎過去に何度かケアしたが効果がなかったから ・・・14.0%
│ ◎どんなケア方法がいいか迷っているから   ・・・5.8%
│ ◎ケアしたことはないが効果がなさそうだから ・・・2.3%
│ ◎過去に1度ケアしたが効果がなかったから  ・・・1.8%
│ ◎その他                  ・・・3.0%
└───────────────────────────────

ニキビケアについて興味深いのはQ11。
お手入れをしない理由としてトップになったのが
意外にも「効果への失望感」ではなく
「どんなケアをしたらいいかわからない」という迷いから。

5位の「どんなケア方法がいいか迷っているから」も合わせると
約40%近くにもなることから、ニキビケアについては化粧品ジプシー
が多いということが伺えます。

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▽▲標ぼうできるのは「ニキビを防ぐ」効果。では「ニキビへ」はOK?▽▲
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アンケートの結果からニキビケアについては
コレ!と決めかねている方が多く、
広告でしっかり良さを伝えることが集客UPの近道になります。

とはいえ、ニキビは過剰な効果表現をした場合は
『医薬品的な効能効果』の暗示となることから、
薬事のルールをしっかり押さえておくこともかなり重要です。

まずは「化粧品」ですが、ニキビについて標ぼうできるのは
————————————————————
(洗顔により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)
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と、メーキャップ効果で「ニキビをカバー」「目立たなくする」
という表現のみ。

つまり、物理的な汚れ落ちのある洗顔料や石鹸、
メーキャップ用品以外でニキビの標ぼうをすることは全て
不可となります。

一方、「医薬部外品」では各商品に個別に認められた『薬効』で
あればニキビについて述べることはできますが、一般的に

化粧水やクリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油では
————————————————————–
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・ニキビを防ぐ
————————————————————–

薬用石鹸(洗顔料を含む)
————————————————————–
<殺菌剤主剤のもの>
皮膚の洗浄・殺菌・消毒
体臭・汗臭及びニキビを防ぐ

<消炎剤主剤のもの>
皮膚の洗浄、ニキビ・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ
————————————————————–
でしたら、標ぼう可能になります。

ここで注意したいのが、化粧品・医薬部外品ともに
ニキビを「防ぐ」になっていること。

つまり認められているのは『できていないニキビを防ぐ効果』のみ!
ですので、できてしまったニキビが良くなるかのような
標ぼうはもちろん、「目立たなくなる」「小さくなる」といった
改善効果も即不可となります。

さらに、炎症を鎮めたりする効果も『医薬品的な効能効果』の
暗示となる為、化粧品・医薬部外品ともに一切使用できません。

では、よく広告などで「ニキビへ」などとありますが、
こちらの表現は◎でしょうか?×でしょうか??

答えは×!!

しかし「医薬部外品」の場合、条件付きで使用できることもあります。

「医薬品等適正広告基準」には「医薬部外品の効能効果」について
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(1)医薬部外品の効能効果について

 「○○を防ぐ」という効能効果で承認を受けているものにあっては、
 単に「○○に」等の表現は認められない。ただし、承認された
 効能効果が明確に別記されていればこの限りではない。
—————————————————————
とあります。

ですので、コピーなどで「ニキビヘ」とした場合でも
その近くに認められた「薬効」として「ニキビを防ぐ」としっかり
明記してあれば即不可とはならないという解釈になります。

ただ、「ニキビへ」をことさら過剰に標ぼうしたり、
「防ぐ」という薬効をわかりづらいところに記載した場合は不可となる
リスクはある為、注意が必要です。

またニキビケア商材でよく見受けられる
「大人ニキビ」
「吹き出物」
「アクネ菌」
といった表現は使用できるでしょうか?

まずは「大人ニキビ」ですが、
大人になってからできるニキビはストレスやホルモンバランスの
乱れなどが原因でできるともいわれている為、あえて
「大人ニキビ」と過剰にPRすると場合によっては
『医薬品的な効能効果』の暗示となる恐れもあります。

一発退場・・・というほどではないと思われますが、
できれば「大人のニキビ」「大人特有のニキビ」として頂く方が
望ましいです。

続いて「吹き出物」ですが、こちらは『医薬品的な効能効果』の
暗示となる為、この表現だけで不可となります。
また「アクネ菌」についても殺菌や抑制効果などを標ぼうすることも
すべて『医薬品的な効能効果』の暗示となるのでお控えくださいませ。

最後に押さえておきたいのが「ニキビ痕」の標ぼうについて。
こちらも見た目に大きく関わってくるトラブルである為、
広告表現でときたま見受けられることがありますが、
メーキャップ以外の商材で標ぼうすることは薬事法違反となります。

よく「美白」の薬効をとっている商材で「ニキビ痕を防ぐ」
「目立たなくする」といった標榜は可能か?というご質問を頂きますが、
こちらも即不可となります。

シミとニキビ痕はたしかに一見すると似たような肌トラブルに
見える為、「美白効果」でニキビ痕も!といきたいところで
ありますが、「美白」はあくまでも「メラニンの生成を抑え、
シミ・そばかすを防ぐ」であるのでニキビ痕への効果とは
全く別物になります。

そもそもニキビ痕という表現自体が「できてしまったニキビへの効果」
となる恐れがある為、「美白」化粧品で効果を暗示させることは
もちろん、「ニキビ痕をケア」といった表現もできれば
避けた方がいいでしょう。
 
 


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